金子吉晴(維新政党新風)    行動保守の選挙担当として維新政党・新風に籍を置き真の戦後レジームからの脱却に邁進しています。

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"コラム:GDP統計に見るデフレの正体=唐鎌大輔氏" 大上段に振りかぶった割には結論は尻つぼみだが用語の勉強にはなる!!

 2月25日のロイターは,”コラム:GDP統計に見るデフレの正体=唐鎌大輔氏
唐鎌大輔 みずほ銀行 マーケット・エコノミスト(2014年2月25日)
 今月17日に公表された昨年10―12月期国内総生産(GDP)1次速報値は前期比年率1.0%増と市場予想の中心(同2.8%増)を大きく割り込んだ。輸出の伸びが輸入の伸びを相殺しきれなかったことのほかに、賃上げなき物価上昇を背景に個人消費が思いのほか伸び悩んだことも響いた。
 仮に実質所得の伸び悩み(というより落ち込み)が10―12月期GDPの伸びを抑えた一因だとすれば、やはり交易損失の拡大と、その結果としてのGDPデフレーターの鈍い伸びは見逃せない。2013年の暦年では、GDPデフレーターは前年比マイナス0.6%で16年連続の下落となった。
<交易損失は80年以降で最大に>
 まず、GDPデフレーターの定義は「名目GDP/実質GDP」だが、「三面等価の原則」(生産・分配・支出の3つの側面から算出した額は等しくなるという原則)に基づき「名目GDP=名目国内総所得(GDI)」であることから「名目GDI/実質GDP」との表現も可能である。
 大ざっぱに言えば、実質GDPとは物価変動を除去した生産「量」の概念である。だとすれば、「名目GDI/実質GDP」で求められるGDPデフレーターとは、「付加価値1単位を生産することにより得られる豊かさ」の概念ということになり、この上昇なくして、人々のデフレ感は解消し得ない。
 円安と株高によって輸出数量の減少幅が縮小(そして最近では極めて緩やかな増勢へ転化)し、駆け込み需要や資産効果を背景として設備投資が復調する過程で、確かに生産「量」の概念である実質GDPは拡大する(昨年10―12月期こそ減速したが、それでも4四半期連続の増加である)。
 だが、実質GDPには交易条件の悪化という重要な概念が含まれていない。交易条件とは「輸出価格/輸入価格」で定義され、「輸出品1単位の代金で輸入品何単位を購入できるか」という概念である。交易条件が下落(上昇)すると交易損失(利得)が発生する。
 昨年10―12月期の交易損失は22兆円と実質GDPの4%に相当し、この分、海外へ所得が流出したことを意味する。実質GDPの4%に相当する交易損失は、旧系列を含め、1980年以降で見ても最大である。片や、名目GDPや名目GDIといった名目の数字はそうした海外への所得流出を反映する概念である。
<デフレの正体はGDPデフレーター下落>
 ここでGDPデフレーターの定義式「名目GDP/実質GDP」に話を戻す。要するに、GDPデフレーターを算出するにあたって、分母の実質GDPは交易損失の影響などを受けずに景気拡大を示唆する一方、より実感に近い分子の名目GDPは伸びてこないので、GDPデフレーターは下落する。この動きこそが「実感なき景気回復」の正体である。
 なお、GDPデフレーターはGDPの構成に沿って算出されるため、「民間最終消費支出等デフレーター(民間住宅投資と民間在庫投資を含む)+民間設備投資デフレーター+政府最終消費支出デフレーター+輸出デフレーター-輸入デフレーター」の各伸び率をウェイト付けして加減した結果でもある。
 これは別の言い方をすれば、「国内価格+輸出価格-輸入価格」でGDPデフレーターが算出されているということでもあり、要するに交易条件の悪化がGDPデフレーターの下落、ひいては国内から海外への所得流出を示す関係にある。
<GDPデフレーター改善への3つの道>
 ここまでの議論を踏まえると、GDPデフレーターを改善させるためには、1)国内価格を引き上げる、2)輸出価格を引き上げる、3)輸入価格を引き下げる、のいずれかが必要なことが分かる(もちろん、複数個が同時に起きても構わない)。
 まず、日本が天然資源に乏しく、長い目で見れば円の先安観も強いことを踏まえれば、3番目の「輸入価格を引き下げる」は現実的とは言えない。いかにシェールガス革命が進展しようとも、輸入価格の面から交易条件がプラスに転じるとの想定は楽観的すぎる。
 では、2番目の「輸出価格を引き上げる」はどうか。日本経済の将来を考えれば、是非とも実現を期待したいシナリオだが、非常に長い時間がかかるだろう。
 07―11年の強烈な円高を受けても、契約通貨(外貨)ベースで見た日本の輸出物価はほとんど上昇してこなかった。これは円高により生じる追加コストを現地価格へ転嫁できるほど競争力に余裕がなかったからだと思われる(こうした価格設定を「Harakiri price(腹切り価格)」と表現する向きもある)。
 逆に最近1年の強烈な円安を受けても契約通貨ベースで輸出物価が下がっていないのは、当時(円高時代)のコストを吸収する意味合いもあると推測され、円安で輸出数量が伸びない一因とも考えられる(円安にして輸出が増えるのは、契約通貨ベースの価格を引き下げ、競争力を向上できるからである)。
 特に日本銀行発表の輸出入物価指数をもとに財別に見ると、輸送用機器や化学品、繊維品などの契約通貨ベース輸出物価は安定している一方で、電気・電子機器のそれは著しく下落しており、その結果として輸出物価全体は横ばいというイメージになっている。
 そもそもコストの安い近隣諸国が生産する工業品を輸出の主軸に置く以上、劇的に輸出価格が上がることは難しい。「輸出価格の引き上げに耐え得る財を生産しよう」という議論は結局、「日本にグーグルやアップルのような企業はなぜ生まれないのか」という話に帰着しやすいが、そのような革命的な企業が一朝一夕に出てくることはない。
<健全なリフレシナリオとは>
 結局、残されたのは1番目の「国内価格を引き上げる」だ。要するに、健全なリフレシナリオである。
 「健全な」とあえて付けたのは足もとの物価上昇が不健全だからである。現に日本の物価はじわじわと上昇しているので、1番目のシナリオが進んでいるようにも見えるが、GDPデフレーターが停滞しているという事実は、国内価格上昇を凌駕する交易損失が生じていることを意味する。円安によるデフレ脱却シナリオはCPIを引き上げることはできても、海外への所得流出という致命的欠陥を抱えるために、デフレの正体であるGDPデフレーターの下落を止めることは難しい。
 本当に求められるのは、交易損失が生じても、それ以上に国内価格への転嫁が進み、それでも消費・投資行動が衰えず、企業収益も改善が続く状況である。それこそが健全なリフレシナリオだろう。それには賃金上昇が絶対不可欠なことは言うまでもない。
 しかし、繰り返しになるが、海外への所得流出を続けながら賃金を上昇させるのは普通に考えれば無理筋なストーリーである。
 円安は交易損失という形で海外へ所得を流出させるのだから、それを埋め合わせる案も提示されなければフェアではない。具体的には、電気・電子機器の輸出競争力向上や輸入価格の劇的な低下を促すような方策がセットで示される必要がある。そうすることでようやく、「円安によるデフレ脱却シナリオ」は国民の所得環境に配慮した案と呼ぶことができる。
”と報道した(リンクはこちら)。

 最初に専門用語で大上段に振りかぶった割には、結論はさしたる内容のない尻つぼみの論説である。
 ただ用語の説明は勉強になるので見ておきたい。

 まず「やはり交易損失の拡大と、その結果としてのGDPデフレーターの鈍い伸びは見逃せない」とあるうち、後者の「GDPデフレーター」とはその少し後に、「まず、GDPデフレーターの定義は「名目GDP/実質GDP」だが、「三面等価の原則」(生産・分配・支出の3つの側面から算出した額は等しくなるという原則)に基づき「名目GDP=名目国内総所得(GDI)」であることから「名目GDI/実質GDP」との表現も可能である」とあるとおりである。
 ただこれは誤解を呼びやすい表現である。真ん中位に「なお、GDPデフレーターはGDPの構成に沿って算出されるため、「民間最終消費支出等デフレーター(民間住宅投資と民間在庫投資を含む)+民間設備投資デフレーター+政府最終消費支出デフレーター+輸出デフレーター-輸入デフレーター」の各伸び率をウェイト付けして加減した結果でもある」とあるように、最初から「実質GDP」が定まっていて「GDPデフレーター」を計算するのではないということである。

 また前者の「交易損失」とは、「交易条件とは「輸出価格/輸入価格」で定義され、「輸出品1単位の代金で輸入品何単位を購入できるか」という概念である」とあるとおりである。
 具体的には「昨年10―12月期の交易損失は22兆円と実質GDPの4%に相当し、この分、海外へ所得が流出したことを意味する」ともあるとおりである。

 さて最も重要なのは結論だからそれだけ見ておく。
 まず「電気・電子機器の輸出競争力向上」とあるが、「そもそもコストの安い近隣諸国が生産する工業品を輸出の主軸に置く以上、劇的に輸出価格が上がることは難しい」とあるように、これは不可能である。
 その点では「逆に最近1年の強烈な円安を受けても契約通貨ベースで輸出物価が下がっていない」とあるが、2007年7月の円ドル・レートが122円であったということに鑑みれば、まだまだ「強烈な円安」などとは言えないということである。
 ただこの点は円ドル・レートが昨年の5月頃からほとんど動かないところを見ると、日米の金利差が大きく動かない限りはかつてのような状況に戻ることはないと考えられる(リンクはこちら)。
 また当方はいつも言うように我が国にとっての最大の問題は、円ドル・レートではなく、支那や南朝鮮の為替操作による人民元安やウォン安だと考えるので、日中・日韓経済関係の縮小を行わない限りはこの「交易損失の拡大」という問題は絶対に解決できないと考える。

 また「輸入価格の劇的な低下」とあるが、資源関係のように我が国に代替品がないものはともかく、普通は「輸入価格」が引き下がればますます「国内製品」から「輸入製品」への需要移転が生じ、名目GDPの減少をもたらすのではないか。
 他方で「まず、日本が天然資源に乏しく、長い目で見れば円の先安観も強いことを踏まえれば、3番目の「輸入価格を引き下げる」は現実的とは言えない」とあるが、そのことは決して不可能ではないだろう。
 というのはそのことは「円安により輸入価格を膨らませ続ける状況が続」いているからではなく、やはり原発の停止による高価な火力発電燃料の輸入によって生じていると考えられるからである。
 したがって原発の再稼働こそがこの点における唯一の解決手段である。

 要するにまとめると、原発の再稼働と日中・日韓経済関係の縮小こそが日本経済立て直しの最善の解決策である。


 ちなみに参考として同じ題材を論じたものとしては、「三菱UFJリサーチ&コンサルティング(株)」の「五十嵐レポート 2013年度第8号」があり、次のとおりある(リンクはこちら)。

デフレの反対はインフレですが、インフレの原因は3つあると言われています。①需給インフレ、②賃金インフレ、③輸入インフレです。
 ①の需給インフレは、好況で需給が引き締まり、モノ不足で起こる(もちろんサービスの供給不足でも起こる)インフレです。
 ②の賃金インフレは、賃金の上昇が価格転嫁されて起こるインフレです。
 そして輸入インフレは輸入価格の上昇が国内物価に転嫁されて起こるインフレです。
 したがって、デフレの原因も3つあることになります。上に書いたことの逆が起これば物価は下がるということです。デフレから抜け出したければ、①~③のメカニズムを働かせればよいことになります。
        (中略)
 さらに、中長期的に資源価格の上昇が続くのであれば、日本のように多くの資源を輸入に頼らざるを得ない国はどうしても交易条件が悪化しがちです。それを打ち消すほど輸出価格が上昇すればいいのですが、輸出の中心は工業製品ですから価格はむしろ下がり気味だと言わざるを得ません。したがって、今後も交易条件の悪化が続く可能性を、ある程度は前提としておく必要がありそうです。
 そうだとすると、国内要因でGDPデフレーターを引き上げることがデフレの脱却につながることになります。つまり、①型や②型の物価上昇を目指す必要があるということです。
 結局、景気がよくなってモノやサービスの需給が逼迫するとか、人手不足の下で労働需給が逼迫して賃金が上昇するといったことが、それらの結果として、いい意味で物価を上昇させるのです。


 要するに上の論説で「しかし、繰り返しになるが、海外への所得流出を続けながら賃金を上昇させるのは普通に考えれば無理筋なストーリーである」とあるのが可能だと言っていることになる。
  1. 2014/03/11(火) 22:23:27|
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