金子吉晴(維新政党新風)    行動保守の選挙担当として維新政党・新風に籍を置き真の戦後レジームからの脱却に邁進しています。

←応援クリックお願いします。

"貿易収支赤字の要因②~空洞化が赤字拡大の主因" 空洞化の原因は円高でなくて人民元安とウォン安!!

 「大和総研」が「貿易収支赤字の要因②~空洞化が赤字拡大の主因」というレポートを発行しているので、その内容を見ておきたい(リンクはこちら)。

                   2014年3月11日 全4頁
     貿易収支赤字の要因②~空洞化が赤字拡大の主因
     空洞化の影響で貿易収支赤字は7兆円程度拡大
                            経済調査部 エコノミスト 齋藤 勉

 貿易収支赤字幅拡大の主因はリーマン・ショックを機に進行した空洞化
 2013年の貿易収支は11.5兆円の赤字となり、過去最大の赤字幅を記録した。貿易収支が赤字化し、さらに赤字幅の拡大が続いている要因には様々なものが考えられるが、筆者は、空洞化が赤字幅拡大の最も大きな要因であると考えている。以下、空洞化の現状と、その結果として貿易収支にどのような影響が及んでいるかを検証していこう。
 図表1は、日本の輸出金額と海外現地法人の売上高を比較したものである。両者の動きは2008年頃までおおむね連動していたが、リーマン・ショックを機に輸出が大きく落ち込み、海外現地法人売上高との乖離が生じた。足下の動きを見ても、輸出の伸びは海外現地法人売上高の伸びと比べて小さく、企業の海外進出の裏で、輸出が相対的に減少している様子が見て取れる。

 企業の海外進出が貿易収支に与える影響
 そもそも、企業の海外進出が日本の貿易収支に与える影響をまとめれば、図表2のようになる。一般的には、これらの4 つの効果の中で「輸出代替効果」を重視し、企業の海外進出が輸出の減少を促し、貿易収支が悪化すると捉える向きが多いようだ。しかし、「輸出代替効果」が生じる際には、日本国内での生産が減少することから、同時に「輸入転換効果」が発生し、貿易収支に与える悪影響はある程度相殺される。
 むしろ、これら4つの効果の中で重要なのは「輸出誘発効果」と「逆輸入効果」である。生産拠点が海外に移転した場合でも、その生産工程で用いる部品や材料を日本から調達すれば、輸出は増加する。これが「輸出誘発効果」であり、過去の企業の海外進出では誘発輸出が相当程度生じていたため、海外進出が進む中でも、輸出金額を減少させる効果は限定的であった。
 一方で、国内向けの財を海外で生産するようになると、輸入が増加することになる。これが「逆輸入効果」であるが、リーマン・ショック前は逆輸入による輸入金額は、日本の輸入全体から見ればそれほど大きい規模ではなかった。
 しかし、足下では、誘発輸出が急激に減少すると同時に、海外現地法人からの逆輸入が増加している。誘発輸出の減少は、日本で作っていた製品を海外で生産する企業が増えているだけでなく、部品の調達すらも現地で行う企業が増加したことを示唆している。また、逆輸入の増加は、企業の海外進出の目的が、最終需要地の近くで生産を行うということから、コスト競争力を求めて日本向けの製品すらも海外で生産する形に変わり始めている可能性を示している。
 誘発輸出が減少し、同時に逆輸入が増加しているという現象は、過去の企業の海外進出とは明らかに異なるものである。これは、もはや単なる海外進出ではなく、空洞化と呼ぶに値する動きと言えるのではないだろうか。

 誘発輸出、逆輸入の現状
 誘発輸出、逆輸入の現状を数値で確認してみよう。図表3は、誘発輸出金額、逆輸入金額の現地法人売上高に対する割合を示したものである。誘発輸出金額の現地法人売上高に対する割合は、2008年頃まで安定した推移をしていたものの、リーマン・ショックを経て急激に低下している。また、逆輸入金額について見ると、過去の数値は変動が大きいものの、リーマン・ショック以降上昇傾向にある。
 このような変化は、輸出入金額にどの程度の影響を与えているのだろうか。前述の誘発輸出、逆輸入が海外現地法人売上高に占める割合が、リーマン・ショック以前の平均的な水準で推移したケース(空洞化が進行しなかったケース)と、足下の水準のまま推移したケース(ベースケース)で、誘発輸出、逆輸入の金額がどのように推移するかを試算したものが図表4である。
 両ケースを比較すると、「輸出誘発効果」が著しく減少することで輸出は5兆円程度減少し、「逆輸入効果」が増加することで輸入が2兆円程度増加している。「輸出代替効果」、「輸入転換効果」には大きな変化が起きていないと考えると、空洞化は約5兆円の輸出減と約2兆円の輸入増を通じて、7兆円程度の貿易収支赤字拡大効果を持っていることになる。
図表3:誘発輸出金額、逆輸入金額が現地法人売上高に占める割合

 さらなる空洞化の進行は貿易収支赤字幅の拡大につながる
 こうした空洞化の動きは、今後も貿易収支に大きく影響を与える見込みである。空洞化進行のトレンドが止まらなければ、今後5年間で貿易収支の赤字幅は2.5兆円程度拡大する計算となる。また、空洞化がさらに進行する場合、5年間で貿易赤字が7兆円程度拡大すると試算され、このケースでは経常収支も赤字化する可能性が高くなる。一方で、空洞化の動きが止まれば、貿易収支赤字幅は5年間で3兆円程度縮小する可能性もある。
 自動車メーカーの海外工場が相次いで完成するなど、企業の海外進出の動きは2014年も継続している。為替が円安方向で推移したことで、国内生産を増加させる企業も出るなど一部に好転の兆しこそ見られるものの、空洞化の進行に歯止めをかけることは喫緊の課題であるといえよう。日本政府には、法人税の実効税率引き下げや、国家戦略特区の設立による規制緩和の推進などを通じて、国内の事業環境を大きく改善させるような施策が強く求められている。


 当方は結果はともかく、原因についてはかなり意見を異にする。
 ・「貿易収支が赤字化し、さらに赤字幅の拡大が続いている要因には様々なものが考えられるが、筆者は、空洞化が赤字幅拡大の最も大きな要因であると考えている。」とあるが、これはなかなか判断に迷うところである。
 たしかに「足下の動きを見ても、輸出の伸びは海外現地法人売上高の伸びと比べて小さく、企業の海外進出の裏で、輸出が相対的に減少している様子が見て取れる。」とあるのはなかなか説得的な資料である。
 しかし貿易収支の推移を見るとやはり「原発停止」の影響が強く感じられる。次表は近年の貿易収支の推移である(リンクはこちら)。

輸出入総額の推移            (単位:千円)
暦年輸出輸入差引
200354,548,350,17244,362,023,35210,186,326,820
200461,169,979,09449,216,636,34611,953,342,748
200565,656,544,15756,949,392,1818,707,151,976
200675,246,173,39267,344,293,0727,901,880,320
200783,931,437,61273,135,920,42710,795,517,185
200881,018,087,60778,954,749,9262,063,337,681
200954,170,614,08851,499,377,7792,671,236,309
201067,399,626,69660,764,956,8406,634,669,856
201165,546,474,94868,111,187,178-2,564,712,230
201263,747,572,21570,688,631,840-6,941,059,625
201369,774,192,95081,242,545,171-11,468,352,221

 これを見ると「差引」の貿易黒字は2008年の落ち込みも大きいが、やはり2011年以降の落ち込みが大きい。

・「誘発輸出金額の現地法人売上高に対する割合は、2008年頃まで安定した推移をしていたものの、リーマン・ショックを経て急激に低下している。」とあるのはそのとおりだろう。
 しかしその原因については「リーマン・ショックを経て」というよりはむしろこれが自然な動きなのではないか。
 「生産拠点が海外に移転した場合でも、その生産工程で用いる部品や材料を日本から調達すれば、輸出は増加する。」という状況がいつまでも続かないことは自明である。
・しかし「また、逆輸入金額について見ると、過去の数値は変動が大きいものの、リーマン・ショック以降上昇傾向にある。」は必ずしもそのような傾向があるようには思えない。
 「逆輸入効果」の典型は「ユニクロ」であるが、そのような企業は1990年代からすでに存在していたのであり、「これが「逆輸入効果」であるが、リーマン・ショック前は逆輸入による輸入金額は、日本の輸入全体から見ればそれほど大きい規模ではなかった。」とは言えないだろう。
 
・「日本政府には、法人税の実効税率引き下げや、国家戦略特区の設立による規制緩和の推進などを通じて、国内の事業環境を大きく改善させるような施策が強く求められている。」とあるが、このようなことで「空洞化」は止まるだろうか。
 そもそも「空洞化」の原因は何か。
 「リーマン・ショックを機に輸出が大きく落ち込み」とあるが、2011年の「輸出」は2005年の「輸出」と同じ水準であるからこれは必ずしも妥当しない。
 「誘発輸出が減少し、同時に逆輸入が増加しているという現象は、過去の企業の海外進出とは明
らかに異なるものである。
」とあたかも何か最近、新たな事象が発生したように主張されているが、これはそういうことではないだろう。
 実際に対外直接投資は1990年代からずっと続いている。次表は近年の対外直接投資の推移である(リンクはこちら)。

対外直接投資        (単位 億円)
和暦西暦ネット
平成8年1996C.Y.28,617
平成9年1997C.Y.28,954
平成10年1998C.Y.25,309
平成11年1999C.Y.27,783
平成12年2000C.Y.48,516
平成13年2001C.Y.43,012
平成14年2002C.Y.38,997
平成15年2003C.Y.39,939
平成16年2004C.Y.43,995
平成17年2005C.Y.57,205
平成18年2006C.Y.67,705
平成19年2007C.Y.86,150
平成20年2008C.Y.114,546
平成21年2009C.Y.68,772
平成22年2010C.Y.69,147
平成23年2011C.Y.92,408
平成24年2012C.Y.95,636
平成25年2013C.Y.133,496

 確かに「リーマン・ショック」後の2008年は急増したが、2009、2010年の水準は「リーマン・ショック」前の2006年と同じである。
 そういう意味では現在の状況は2000年代初めから続く対外直接投資の悪影響がここへきて一気に表面化しているということである。
 そしてその根本の原因を考えると、「リーマン・ショック」後の円高でなくて、1990年代から続く人民元安、そして2000年代半ばから続くウォン安と言わざるを得ない。
  1. 2014/04/08(火) 23:47:34|
  2. 未分類
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0
<<"韓国とは“国交断絶”すべきか?(1)「反日活動による損害で日本は我慢の限界」" チャンネル桜系の論者は南朝鮮に対してホルホルが強く認識が甘い!! | ホーム | 活動報告 4月7日「緊急行動!捕鯨文化を破壊する人種差別主義国家オーストラリアに断固抗議!」及び「新橋駅SL広場前街宣」参加>>

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
http://ccp58800.blog25.fc2.com/tb.php/1956-af09ff4e
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)