金子吉晴(維新政党新風)    行動保守の選挙担当として維新政党・新風に籍を置き真の戦後レジームからの脱却に邁進しています。

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"日本の名目GDPとマネーサプライから見えること" 経済で重要なのは絶対額ではなくあくまで率!!

 平成27年1月9日に「RIETI(独立行政法人経済産業研究所)」の「中島厚志理事長」が「日本の名目GDPとマネーサプライから見えること」と題して、我が国のデフレ不況の原因についてコラムを書いているので見てみたい(リンクはこちら)。

日本の名目GDPとマネーサプライから見えること

 2012年央以降の日本経済は、アベノミクスもあって回復してきた。
 ここで注目されるのが日銀の量的金融緩和策である。物価目標2%達成に向けて、年間の国債購入額80兆円を目途とする量的金融緩和が実施されており、長期金利が過去最低の0.2%台を記録する動きともなっている。
 もっとも、近年の日本の名目GDPとマネーサプライ(M2ベース)の推移を見ると、90年代半ば以降足元に至るまで、マネーサプライが伸び続けてきた一方で名目GDPが横ばいで推移している。名目GDPとマネーサプライのこれだけの長期間の乖離は、異常に見える。欧米主要国を見ても、名目GDPとマネーサプライはともに増加方向で一致している。

 なぜ日本だけ名目GDPとマネーサプライが際立って大きく乖離しているのか。1つの理由は増加したマネーが向かった先にある。95年以降のマネーサプライの増加の多くは増発された国債購入に向かっており、民間投資に比べて経済乗数効果が劣る公共事業などに充当されている。
 何より大きな理由は、経済企業動向にある。過去20年間、不動産バブル崩壊後企業が縮み志向を強め、家計も消費余力が増加しない中で、内需伸び悩みとデフレが名目GDPを抑制してきた。とりわけ、デフレの影響は大きい。ちなみに、日本の物価上昇率(GDPデフレーター)が米国並みであったと仮定して日本の名目GDPに上乗せすると、マネーサプライ増と平仄が合う大きな増加となる(図表1)。

 一方、世界経済を見ると、金融のウエイトが年々高まっている。図表2は世界名目GDPと主要国(OECD+BRICs諸国)のマネーサプライ(M2ベース)の推移を示したものである。見ての通り、マネーの流通量は近年名目経済成長率を上回る勢いで増加している。そして、マネーサプライが大きく伸びている時期は名目GDPが大きく伸びている時期と重なっている。

 この観点からすると、マネーサプライが増加しているのに名目GDPが横ばいを続けている日本の現状は、望ましい状況にあるとはいえない。そのためには、マネーサプライ増大が自動的に経済成長をもたらすとは限らないとしても、日本に於ける経済とマネーの相互関係の回復を図るべきであり、何より緩やかな物価上昇を実現して名目経済成長を高めることが大きな前提となる。そして、マネーサプライ増と平仄がとれた名目成長が実現できれば、マネーの増大が金融取引の活発化などを通じて一段と経済成長を支える可能性も高まる。


 率直に言って論理的説得力に欠ける論説である。

・「95年以降のマネーサプライの増加の多くは増発された国債購入に向かっており、民間投資に比べて経済乗数効果が劣る公共事業などに充当されている。」とあるが、一体「民間投資に比べて経済乗数効果が劣る公共事業」という理屈はあるだろうか。
 経済学においては民間投資乗数と政府支出乗数の式はいずれも1/1-cで同じである。

 また「経済乗数効果」の議論はさておいても、そもそも「マネーサプライの増加の多く」が「民間投資」に向かわないのは「増発された国債購入」の方がリターンが大きいと判断されたからだろう。だとすればそのことの理由を解明することが先決ではないか。

・「過去20年間、不動産バブル崩壊後企業が縮み志向を強め、家計も消費余力が増加しない中で、内需伸び悩みとデフレが名目GDPを抑制してきた。」とあるが、果たして「内需伸び悩み」は正しいだろうか。
 過去20年間における「名目GDP」と「内需」の比率は次表のとおりである(リンクはこちら)。
(単位:10億円)
暦年国内総生産(支出側)国内需要比率
1994/1-12.495,743.40485,881.7098.0%
1995/1-12.501,706.90494,906.6098.6%
1996/1-12.511,934.80509,571.8099.5%
1997/1-12.523,198.30517,572.3098.9%
1998/1-12.512,438.60502,876.1098.1%
1999/1-12.504,903.20496,873.4098.4%
2000/1-12.509,860.00502,473.6098.6%
2001/1-12.505,543.20502,309.1099.4%
2002/1-12.499,147.00492,449.7098.7%
2003/1-12.498,854.80490,597.7098.3%
2004/1-12.503,725.30493,865.9098.0%
2005/1-12.503,903.00496,809.3098.6%
2006/1-12.506,687.00500,319.3098.7%
2007/1-12.512,975.20504,302.0098.3%
2008/1-12.501,209.30500,236.9099.8%
2009/1-12.471,138.70469,412.0099.6%
2010/1-12.482,384.40476,621.1098.8%
2011/1-12.471,310.80475,584.80100.9%
2012/1-12.475,110.40484,501.70102.0%
2013/1-12.480,128.00493,762.10102.8%

 上表によれば「名目GDP」における「内需」の比率は上がっているから、「伸び悩み」とは言えない。
 もちろん絶対額では「伸び悩み」どころか減少であるが、経済で重要なのは絶対額ではなくあくまで率である。
 ちなみに「国内需要」とは単に「国内総生産(支出側)-純輸出」であるから、それが100%を超えるということは要するに貿易が赤字になったことを意味する。
 したがってこの指標自体は大した意味を持たないが、考え方として誤りは誤りである。

 また「デフレが名目GDPを抑制してきた」のはそのとおりであるが、それは恒等式みたいなもので、問題は「デフレ」の原因である。

・「そのためには、マネーサプライ増大が自動的に経済成長をもたらすとは限らないとしても、日本に於ける経済とマネーの相互関係の回復を図るべきであり、何より緩やかな物価上昇を実現して名目経済成長を高めることが大きな前提となる。」とあるが、上述のとおり「デフレ」の原因を無視して、「緩やかな物価上昇を実現して名目経済成長を高め」たところで、結局は実質経済成長は高まらず、スタグフレーションにしかならないだろう。
  1. 2015/01/22(木) 23:51:03|
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