金子吉晴(維新政党新風)    行動保守の選挙担当として維新政党・新風に籍を置き真の戦後レジームからの脱却に邁進しています。

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"【日本の解き方】ユニクロの不振、しまむらの増益は「デフレに逆戻り」の現象なのか" 欧米先進国との相違は支那との地理的、言語的及び産業構造的近接性のゆえ!!

 4月21日のZAKZAKは,”【日本の解き方】ユニクロの不振、しまむらの増益は「デフレに逆戻り」の現象なのか
 2月の消費者物価指数は2カ月連続で前年比横ばいとなった。ミクロ経済の小売りの世界では、値上げをしたユニクロが業績悪化し、低価格路線のしまむらが増益、牛丼チェーンでは吉野家が低価格の豚丼を復活させたという。こうした状況をみて、再びデフレに転落するのではないかとの懸念を呼んでいるが、はたしてどうなのか。

 まず、ミクロ経済の価格低下とマクロ経済での物価下落を区別しよう。個別価格と一般物価を混同してはいけないという意味だ。ユニクロの価格は個別価格の典型例である。
 ミクロ経済での個別価格の低下は、可処分所得が低下しない限り、他の財・サービスの購入に向けられるので、その価格上昇要因となって一般物価に影響を与えない。
 個別価格と一般物価との混同は、かつてよく見られた誤りだ。例えば、中国から安い輸入商品が入ってくるので、日本ではデフレになっているという議論を一般紙でも堂々と載せていた。

 そうしたデフレ論者に対して筆者は、中国からの安い輸入品が入っていた国は、日本以外にも多数あったが、デフレなのは日本だけであり、日本の金融政策が主原因であると反論していた。アベノミクスによる金融緩和で、それが正しいことがわかっただろう。特に、2013年から14年中頃にかけての一般物価の上昇は金融緩和の成果だといえる。

 ただし、14年4月からの消費増税でその上昇傾向が一変する。一般物価は、GDPギャップ(潜在GDPと実際のGDPの差)によっても影響を受けるからだ。消費増税によって総需要が減少し、GDPギャップが拡大した。一般物価に対しては、金融緩和による上昇圧力と消費増税による下降圧力が綱引きして、今のところ下方圧力が勝っている状態だ。
 マスコミなどでは、消費増税について、安倍首相が「リーマン・ショックまたは東日本大震災級の事態が生じない限り、予定通り引き上げる」と明言していることをとらえて、今の経済状況がリーマン・ショック級なのか、東日本大震災級なのかを議論している。
 しかし、そもそもデフレ脱却しないのであれば、安倍政権の大前提に関わることなので、消費増税を見送ることは当然であろう。

 金融を引き締めたり、増税で緊縮財政をとったりしない限り、再びデフレに転落する可能性は小さい。金融政策と財政政策の併用で、GDPギャップを縮小させればいい。(元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一)
”と報道した(リンクはこちら)。

 結論は「消費増税を見送ることは当然であろう」というありふれたものであるが、その前段の説明が色々と問題があるので反論しておきたい。

 まず「ミクロ経済での個別価格の低下は、可処分所得が低下しない限り、他の財・サービスの購入に向けられるので、その価格上昇要因となって一般物価に影響を与えない。」とあるが、そんなことは現実にはあり得ない。
 確かに「ミクロ経済での個別価格の低下」が中小末端業者によるものならそんなことも言えるかもしれないが、「ユニクロ」や「しまむら」のようなリーディング・カンパニーが値下げをすれば、当然、他の業者も追随して値下げをし、結局それは「一般物価」の「低下」となるのが通常である。

 また「そうしたデフレ論者に対して筆者は、中国からの安い輸入品が入っていた国は、日本以外にも多数あったが、デフレなのは日本だけであり、日本の金融政策が主原因であると反論していた。」とあるが、問題は「デフレ」かどうかではなく、経済が成長するかどうかである。
 というのは「デフレ」を脱却、つまり「一般物価」を上げることは簡単である。例えば増税か公共料金を引き上げれば良いだけである。
 我が国は1990年代後半からむしろそれと逆のことをやってきたから、「一般物価」が上がらなかっただけである。

 しかし「一般物価」を上げたところで経済、つまり実質GDPは成長しないし、その点では先進国は大差がない。
 このことは「世界の統計 2015」に掲載された「3国内総生産の実質成長率」というグラフを見れば、一目瞭然である(リンクはこちらの72頁)。

 もし欧米先進国と若干の差があるとすれば、それは「中国」との地理的、言語的及び産業構造的近接性のゆえである。

 その点では我が国に次いで南朝鮮も影響を受けやすいのであるが、南朝鮮も支那にならって為替操作をしているためにその影響をかなり相殺している。
 しかしそれでも影響は免れず、あれほど貿易黒字を上げながら、この数年低成長に留まっているのは、円高という望外の天恵が消えて、もろに支那の影響を受けているからと考えられる。

 また「ただし、14年4月からの消費増税でその上昇傾向が一変する。」とあることについては、この「元内閣参事官・嘉悦大教授、高橋洋一」のような論者はひたすらこれに責任を転嫁する。

 しかし現在の経済状況はと言えば、名目GDP(リンクはこちら)と実質GDP(リンクはこちら)の推移は次表のとおりである。
             (単位:10億円)
暦年名目GDP実質GDP
1997/1-12.523,198.30474,802.70
2007/1-12.512,975.20523,685.80
2015/1-12.499,095.60528,583.00

 かなり数字の加工が簡単な「実質GDP」はともかく、皮膚感覚に近いとされる「名目GDP」では平成不況突入前どころか、リーマン・ショック突入前にも達していないのである。

 高々税率を3%上げたからこうなったとする彼らの言い訳はどう考えても無理があり、そもそも彼らのような主張が間違っていたと考える方が自然である。

 また「金融政策と財政政策の併用で、GDPギャップを縮小させればいい。」とあるが、これについては、4月10日のエントリーで、
まず「国は国債発行などで大半を日本国民から借りているのだから、国民は直接、間接に830万円の金融資産を持っているわけだ。」とあるが、「国債」を「金融資産」ととらえる理屈はやはりおかしい。
 そうではなくこの問題は通貨供給量がそれだけ膨張する危険性がある問題と認識すべきである。

と書いたとおりである(リンクはこちら)。

 当方が持つイメージはちょっと古い文献であるが、「1997-03-10」の「静岡大学経済研究」に「価格調整とマクロ動学に関する実験的考察」と題して次のとおりある(リンクはこちら)。

ケース1 過大な総需要政策とスタグフレーション
 スタグフレーション(stagnation)は,供給ショック(景気の後退)とインフレーシヨンによつて特徴づけることができる。スタグフレーションの原因は,(1)過大な総需要創出政策がとられた場合と,(2)一時的な供給ショックが発生した場合が考えられている。まず,前者の事例を考える。
 過大な総需要創出政策の「過大な」とは,完全雇用国民所得を超える所得をめざす総需要拡大政策がとられることを意味している。現状に満足しない政策当局が,総需要を引き上げたとしよう。たとえば,モデルの初期値では,M=12,000であるが,貨幣供給が1期間だけS=600追加的に引き上げられたとしよう。均衡点は図2にあるようならせん型の調整経路を描いて,やがてはもとの産出量の水準に戻ってしまう。悪いことに,産出水準がもとの水準にもどったのにもかかわらず,インフレーションの方は加速してしまう。したがって,過大な拡張的経済政策は,たしかに短期的な景気上昇をもたらすが,中長期的に考えれば,やがては高インフレの恒常化,政策自体の有効性の低下という思わしくない結果をもたらす。


 重要な点は「悪いことに,産出水準がもとの水準にもどったのにもかかわらず,インフレーションの方は加速してしまう。」という部分である。

 通貨供給量の膨張による物価上昇が経済成長に与える阻害的効果については余りに変数が多過ぎて、学部レベルの経済学では扱わなかったため(今はどうか知らないが)、どの論者もビシッとした主張をしていない。
 ただ当の責任者の日銀総裁もスタグフレーションに言及する位だから、そのことは念頭に置いておかなければならない。
  1. 2016/04/30(土) 00:05:20|
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