金子吉晴(維新政党新風)    行動保守の選挙担当として維新政党・新風に籍を置き真の戦後レジームからの脱却に邁進しています。

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"「増税再延期という『新しい判断』について参院選で国民の信を問いたい」" アベノミクスが失敗したのではなく、元々それが無意味だということ!!

 6月1日の産経新聞は,”【安倍首相会見・詳報(上)】「増税再延期という『新しい判断』について参院選で国民の信を問いたい」
 安倍晋三首相は1日夕、官邸で記者会見し、平成29年4月に予定していた消費税率10%への引き上げを31年10月まで2年半延期する考えを正式に表明した。記者会見の詳報は次の通り。

 「現在、有効求人倍率は24年ぶりの高い水準となっています。都会だけの現象ではありません。就業地別である北海道から沖縄まで47都道府県、全て1倍を超えました。これは史上初めての出来事です。
 中小企業の倒産も、政権交代前から3割減少しています。ここまで倒産が減ったのは25年ぶりのことです。所得アップについても、連合の調査によれば、中小企業も含めて一昨年、昨年に続き、今年の春も3年連続で、今世紀に入って最も高い水準の賃上げを実現することができました。
 そしてパートの皆さんの賃金も過去最高を記録しています。一部の大企業で働いている方の給料が上がっただけではありません。パートで働いている皆さんの時給も過去最高となっているんです。どうかここも見ていただきたい。雇用をつくり、所得を増やす。まだまだ道半ばではありますが、アベノミクスは順調にその結果を出しています」
”と報道した(リンクはこちら)。

 「雇用をつくり、所得を増やす。まだまだ道半ばではありますが、アベノミクスは順調にその結果を出しています」とあるが、どう考えてもこの自己評価は高過ぎる。
 現実は次のとおりである。

 5月20日の日経新聞は,”実質賃金、5年連続マイナス 15年度は0.1%減
 厚生労働省が20日発表した3月の毎月勤労統計(確報、従業員5人以上)によると、現金給与総額から物価変動の影響を除いた実質賃金指数は前年同月比1.6%増だった。
 同時に発表した2015年度の毎月勤労統計(確報、従業員5人以上)は、1人あたりの現金給与総額が0.2%増の31万4089円だった。もっとも、物価上昇のペースには追いつかず、実質賃金指数は0.1%減となり、5年連続で前の期を下回った。
”と報道した(リンクはこちら)。

 重要なのは最後の文章の「もっとも、物価上昇のペースには追いつかず、実質賃金指数は0.1%減となり、5年連続で前の期を下回った。」である。
 この点について一般的な「アベノミクス」批判者はどういう言い方をするか。

 6月1日の産経新聞は,”【消費増税再延期正式表明】アベノミクス、個人消費の弱さが誤算
 安倍晋三首相による消費税増税の再延期表明に対し、野党は「アベノミクスは失敗した」との批判を強めている。
 問題は国内総生産(GDP)の6割を占める個人消費が、経済成長全体の重しとなっていることだ。26年1~3月期の実質GDPで個人消費は322兆円に達した。だが、同年4月に消費税が8%に増税となり、同年4~6月期の個人消費は306兆円に減少、現在も同水準にとどまる。
”と報道した(リンクはこちら)。

 「安倍晋三首相による消費税増税の再延期表明に対し、野党は「アベノミクスは失敗した」との批判を強めている。」とあるが、これは完全な間違いである。
 というのは 「だが、同年4月に消費税が8%に増税となり、同年4~6月期の個人消費は306兆円に減少、現在も同水準にとどまる。」とあるが、これが直ちに「失敗」を意味するわけではないからである。

 その理由は「増税」をすれば、可処分所得が減少するのだから、「個人消費」が減少するのは当然だからである。
 言い換えれば「平均消費性向」とは「可処分所得に対する消費支出の割合」であるが(リンクはこちら)、これが低下しない限りは「失敗」ではない。

 確かに「平均消費性向」については、「総務省統計局」の「家 計調査報告家計収支編 平成27年(2015年)平均速報結果の概況」においては、「二人以上の世帯のうち勤労者世帯の平均消費性向は73.8%となり,前年に比べ1.5ポイントの低下となった。」とある(リンクはこちらの26頁)。

 しかし内閣府の名目GDP統計によれば、2014年4月の消費税率引き上げの前後の消費の状況は次表のとおりである(リンクはこちら)。
               (単位:10億円)
暦年国内総生産(支出側)民間最終消費支出左の比率(%)家計最終消費支出左の比率(%)
2012/1-12.475,331.70288,195.2060.6281,142.7059.1
2013/1-12.479,083.70292,302.3061.0284,930.8059.5
2014/1-12.486,871.20295,395.3060.7288,215.5059.2
2015/1-12.499,285.90292,402.5058.6285,168.4057.1

 2014年4月の消費税率引き上げによる消費税の増収分は「5.2」兆円だから(リンクはこちら)、その「73.8%」は、
 5.2兆円×73.8%=3.837兆円
で、3.84兆円になる。

 上表で「家計最終消費支出」の推移を見ると、駆け込み需要の影響か、「2014/1-12.」よりも「2015/1-12.」の減少が大きいが、
 288,215.50-285,168.40=3,047.1
で3.05兆円だから、これはむしろ予想どおりのレベルであり、「失敗」ではない。

 これはそうではなく、当方に言わせれば、「アベノミクスは失敗した」のではなく、元々、「アベノミクス」が我が国のデフレ不況に対して「無意味」だということである。
 このことは何も当方だけが言っているのではなくて、5月19日のエントリーでも次のとおり紹介したとおりである(リンクはこちら)。

5月12日のエントリーで、「大和総研」のHPに掲載されている「なぜ賃金は伸び悩むのか、たった一つのシンプルな理由」というコラムを紹介したところである(リンクはこちら)。

 この「たった一つのシンプルな理由」とは、
1990年代以降、冷戦崩壊に伴う新興国の参入とIT革命により国際的な労働競争が激化し、とりわけ2000年代以降中国が国際貿易市場への参入を強める中、地理的にアジアと近接した日本に強いデフレ圧力がかかり続けてきた。日本の賃金が伸びないのは、こうした国々に比べて過当に賃金が高いためだ。
となっている。

 このコラムは一般人向けに分かりやすい言葉で書いてあったが、経済学者達はこれを「交易条件の悪化」という言葉で表現する。
 その意味は読んで字の如く平たく言えば、「貿易が厳しくなった」ということである。

 したがって経済学界の通説は、我が国の「賃金が伸びない」原因はやはり貿易にあるとしているということである。
 これは4月21日のエントリーで示した、「民間需要」、「公的需要」及び「純輸出」の推移を見れば、これ以外の主張は不可能だろう(リンクはこちら)。

 その点で当方が一番間違っていると思うのはやはり、同じく4月21日のエントリーで紹介した「産経新聞特別記者・田村秀男」の「その事態を招いたのは、政府の消費税増税と緊縮財政によるものだ。」のような主張である。

 今時まだそのように言っているのは、同人のように安倍政権の初期にアベノミクスの称賛を通じて安倍信者の大量発生を煽ったチャンネル桜系の素人経済評論家達だけである。
 彼らは現在の安倍政権が当初のアベノミクスどおりにやっていないから景気が回復しないのだと批判するが、その当初のアベノミクス自体が我が国の「賃金が伸びない」ことに対して頓珍漢な政策なのだから、そんな批判は安倍信者の維持温存以外には意味がない。



 残念ながらネット上では関係者の工作によって、まだアベノミクス信者(金融緩和信者だけでなく財政出動信者も含む)が大手を振ってまかり通っているが、いかな愚かな人達でも現実を理解するのにもうそれほど時間は必要としないだろう。
  1. 2016/06/02(木) 18:25:01|
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