金子吉晴(維新政党新風)    行動保守の選挙担当として維新政党・新風に籍を置き真の戦後レジームからの脱却に邁進しています。

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"実質賃金引き上げの条件" 実質賃金下落の主因が円高というのは嘘!!

 「日本総研」から「実質賃金引き上げの条件」と題してリポートが発表されているので内容を見ておきたい(リンクはこちら)。

2015 年6月29 日
実質賃金引き上げの条件
~日米独比較からのインプリケーション~
                     調査部 チーフエコノミスト 山田 久
《要 点》
◆実質賃金のプラス基調が定着することは、わが国経済が内需主導の持続的成長を実現するために不可欠であり、2017年4月に控える消費増税を乗り越えるためにも重要である。
 本リポートでは、国際比較の視点から、わが国の実質賃金が長らく下落基調をたどってきたファクターを分析し、今後、実質賃金のプラス基調が定着していくための条件を考察する。

◆定義によれば、実質賃金は、①労働分配率、②労働生産性、③GDPデフレータ・消費者物価比率、に分解できるが、米独と比べて違いが目立つのは、GDPデフレータ・消費者物価比率が持続的に低下傾向をたどってきた点であり、これこそがわが国で実質賃金が下落基調で推移してきた主因といえる。

◆わが国でGDP デフレータ・消費者物価比率が低下した要因としては、輸出デフレータ/輸入デフレータ比率が下落してきたこと(交易条件の低下)が大きい。
 この背景には、基本的には為替相場が円高傾向で推移してきたことが大きいことは確かながら、容易に値下げを行いがちな日本企業のプライシングの在り方も影響しており、実質賃金の持続的な上昇を可能にするには、企業が商品価格の維持・引き上げを図っていくことが重要になる。

◆経営戦略の観点からすれば、商品価格の維持・引き上げの一つの方策は、高性能・高品質の製品の価値を「ブランド化・デザイン化」で守ることで製品単価の維持・向上を図ることであり、もう一つ考えられる方策は「モノとサービスの融合」によって、製品のコモディティー化を回避することである。政策的観点からすれば、そうした経営戦略を企業が採りやすいような事業環境整備(①プロパテント政策、②事業融合を促す規制緩和、③異業種融合を促進する制度・税制)を行うことが重要である。



 まず「わが国でGDP デフレータ・消費者物価比率が低下した要因としては、輸出デフレータ/輸入デフレータ比率が下落してきたこと(交易条件の低下)が大きい。
 この背景には、基本的には為替相場が円高傾向で推移してきたことが大きいことは確かながら、
」とあるが、これは嘘である。

 というのはこのリポートの5頁に1994年から2014年までの「【輸出デフレータ/輸入デフレータ】」の推移のグラフが載っている。
 この間の円ドルレートの状況は次表のとおりである(リンクはこちら)。
        (単位:円)
1994102.2078
199594.0596
1996108.7791
1997120.9909
1998130.9053
1999113.9068
2000107.7655
2001121.5289
2002125.3880
2003115.9335
2004108.1926
2005110.2182
2006116.2993
2007117.7535
2008103.3595
200993.5701
201087.7799
201179.8070
201279.7905
201397.5957
2014105.9448

 このグラフは1997・1998年頃と2008・2009年頃を除いて一貫して下落しているが、2007年以前は1995年の94.0596円を除いて決して「円高傾向」ではない。
 ましてや上昇した2008・2009年頃こそ103.3595円及び93.5701円と「円高傾向」である。

 また「容易に値下げを行いがちな日本企業のプライシングの在り方も影響しており、実質賃金の持続的な上昇を可能にするには、企業が商品価格の維持・引き上げを図っていくことが重要になる」とあるが、これもおかしい。
 「日本企業」も何も好き好んで「値下げ」をしているわけではない。価格競争に負けるから「値下げ」するのである。
 なぜ価格競争に負けるかと言えば、中国や韓国が人件費が安いからというのは答えになっていないことはいつも書いているとおりである。

 ではその対策として「高性能・高品質の製品の価値を「ブランド化・デザイン化」で守ること」は正しいのか。
 その答は当方が言わずとも、5月19日のエントリーで紹介した産経新聞の報道に、
電卓から液晶技術が生まれ、それが薄型の液晶テレビとなって世界で注目されましたが、時は移ります。いま、日本の電機各社が4Kテレビ、さらに8Kテレビなど新製品を出そうという姿勢は評価します。ただ、テレビのニーズはどのへんにあるのでしょうか。現実には韓国や中国のメーカーが、一定水準の品質で値段を下げた製品を世界中に売りまくっています。テレビや家電が品質だけの勝負ではなくなっていることに対し、日本はどのような対応をしたらいいのでしょうか。
とあったとおりである(リンクはこちら)。

 実質賃金下落の主因という根本のところで嘘を吐いているリポートは意味がない。
  1. 2016/06/06(月) 18:31:11|
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