金子吉晴(維新政党新風)    行動保守の選挙担当として維新政党・新風に籍を置き真の戦後レジームからの脱却に邁進しています。

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"産業構造の変化と雇用情勢" 製造業が国内に戻ってこないのは多少の円安では人民元安やウォン安の大きさをカバーできないから!!

 「一般社団法人 JA共済総合研究所」から「最近の賃金低迷を巡る諸問題」と題してリポートが発表されているので内容を見ておきたい(リンクはこちら)。

研究報告 最近の賃金低迷を巡る諸問題
              一般社団法人 JA共済総合研究所
              調査研究部 上席研究員 古金義洋

 失業率や有効求人倍率など多くの雇用関連指標は労働需給がバブル期並みに逼迫していることを示すが、そうしたなかにあっても実際の賃金上昇率は低迷したままだ。
 日米独で実質賃金低下の要因を比較すると、日本では生産性の低い非製造業の比率が高まっていることが労働生産性上昇率を鈍化させ、それが結果的に実質賃金上昇率を低下させていることがわかる。
 長期的にはITやグローバル化が、日本の雇用や賃金に大きな影響を及ぼすと考えられる。米国同様、日本でもIT技術の進展により、労働分配率が低下したり雇用の二極分化によって中間層と言われていた人々の仕事が失われ、所得格差が拡大したりすることも予想される。
 ただ、日本経済の生産性低下をもたらしてきた非製造業の生産性を高めるためにはIT利用を進めることが不可欠と考えられる。



 最後の結論にあたる「ただ、日本経済の生産性低下をもたらしてきた非製造業の生産性を高めるためにはIT利用を進めることが不可欠と考えられる。」からすれば、15年ほど前のリポートかと思うが、実際は「共済総合研究 Vol.71(2015.9)」に掲載されているから、昨年のものである(リンクはこちら)。

 さて内容であるが、「日米独で実質賃金低下の要因を比較すると、日本では生産性の低い非製造業の比率が高まっていることが労働生産性上昇率を鈍化させ、それが結果的に実質賃金上昇率を低下させていることがわかる。」とあるのは、そのとおりだろう。
 これは小学生でも分かる理屈である。

 ところが驚くべきことにこのリポートでは、上記の結論が書いてあるだけで、問題の原因と対策が分析されていない。
 これではやるべき仕事の1/10もやっていないことになる。

 ではこの著者が別のリポートでこれに関して書いていないかなと探したところ、同じく「一般社団法人 JA共済総合研究所」から発表されている「産業構造の変化と雇用情勢 ―製造業の空洞化が雇用に及ぼす影響―」というリポートにそれなりのことが書いてあった(リンクはこちらの8頁)。

 ちなみにこれは「共済総合研究 Vol.66(2013.3)」に掲載されているから、上のリポートの2年半前のものである(リンクはこちら)。

日本の製造業は依然として高い労働生産性を維持している。このため、円安にして高い生産性の製造業を日本に呼び戻し、日本全体の生産性を高めようという考えもできるだろう。
 しかし、そもそも非製造業を含めた日本の多くの企業が海外進出の意欲を強めているのは、円高だからではなく、人口減少で伸び悩む国内市場より拡大の見込める海外市場に活路を見つけようとしているためだ。多少の円安ではこのうちの製造業が国内に戻ってくるとは考えにくく、仮に、海外進出の動きが一時的に止まったとしても、国際競争にさらされる製造業の国内での雇用抑制は続くだろう。
 高齢化のなかで介護・福祉などの産業が今後の日本経済を牽引すると言われるが、こうしたサービス業の生産性を高めることができなければ、日本全体としての生産性も高まらず、労働者(消費者)の購買力向上も見込めない。



・「しかし、そもそも非製造業を含めた日本の多くの企業が海外進出の意欲を強めているのは、円高だからではなく、人口減少で伸び悩む国内市場より拡大の見込める海外市場に活路を見つけようとしているためだ。」とあるが、これはおかしい。

 そもそも「人口減少で伸び悩む国内市場」とあるが、我が国の人口が減少しだしたのは平成23(2011)年からであって(リンクはこちら)、「日本の多くの企業が海外進出」をし出したのは1990年代だから、これは直接関係はない。

 またたとえそのことを認めるとしても、「非製造業」はともかく「製造業」については輸出をすればいいのだから、「海外進出」の理由にはならない。

・「多少の円安ではこのうちの製造業が国内に戻ってくるとは考えにくく、仮に、海外進出の動きが一時的に止まったとしても、国際競争にさらされる製造業の国内での雇用抑制は続くだろう。」とあるが、これもおかしい。

 実際に「多少の円安」になって、タイムラグはあるが、「製造業」は「国内に戻って」きつつある。
 それが足りないのは「多少の円安」では、人民元安やウォン安の大きさをカバーできないからである。
 また「国際競争にさらされて」いるのはどこの国も同じだから、「国内での雇用抑制」はそれが理由ではないだろう。

 5月19日のエントリーで、「経済に限らず学者というものは自虐史観の塊だから、最初から彼らの頭の中には支那や南朝鮮が悪いという発想は全くない」と書いたのであるが(リンクはこちら)、これはその人達から教育を受けた民間のエコノミストも全く同じである。
  1. 2016/06/08(水) 22:12:13|
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