金子吉晴(維新政党新風)    行動保守の選挙担当として維新政党・新風に籍を置き真の戦後レジームからの脱却に邁進しています。

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"財政政策を2~3年程度繰り返せば,その内デフレギャップは完全に解消" 大した根拠もなくそんなことを繰り返せば数年後には確実にスタグフレーションに陥るだろう!!

 「内閣官房参与」の「藤井聡」が次のとおり書いている(リンクはこちら)。

【藤井聡】長期停滞下における「デフレ完全脱却」を果たすために,徹底的な財政政策を
投稿日: 2016/05/31
FROM 藤井聡@京都大学大学院教授、内閣官房参与

 10%への消費税増税が「2年半」延期される見通しとなりました.

 ただし――この長期低迷時代の中,未だ継続する8%増税ショックを払拭し,デフレ完全脱却を果たすためには,今回の「増税延期」の判断は最低限果たさねばならない「必要」条件の一つにしか過ぎません.それは決して「十分」条件ではないのです.
 すなわちわが国は,増税延期を皮切りとして,今後,徹底的な景気対策を打ち出していかなければなりません.それがなければ,デフレ完全脱却が果たせず,600兆円経済を実現することも,そして財政再建を果たすことも不可能となるでしょう.
 その中で今わが国に求められているのは,現在10~20兆円規模で存在している事が危惧されるデフレギャップを埋めるための,補正予算を出動する「財政政策」です.
 これを初年度行えば,次年度においてはデフレギャップは幾分縮小することとなるでしょう.しかしそれでももちろん完全解消されることはないでしょう.したがって,次年度もまた,それを埋めるための財政政策が求められることになります.
 そしてそうした合理的,かつ,徹底的な財政政策を2~3年程度繰り返せば,その内デフレギャップは完全に解消されることになります.



 当方は多額の経費がかかる自主防衛を主張する位だから、短期的に「現在10~20兆円規模で存在している事が危惧されるデフレギャップを埋めるための,補正予算を出動する「財政政策」」には特に反対するものではない。
 しかし、最後の「そしてそうした合理的,かつ,徹底的な財政政策を2~3年程度繰り返せば,その内デフレギャップは完全に解消されることになります.」の根拠は全く理解できない。
 大した根拠もなくそんなことを繰り返せば数年後には確実にスタグフレーションに陥るだろう。

 これは要するに公共投資カンフル剤論を否定したものである。
 この点について「藤井聡」は常々次のように言っている(リンクはこちら)。

○ このように考えると、必然的にデフレ脱却のために必要なものは、倒産や失業を減らし所得を上げることだと科学的に推測される。
 ○ そのためには、財政政策、金融政策を一体的に推進する必要がある。政府が国内産業に働けるような仕事をつくるということだけでなく、中小企業や地域産業を直接保護したり、支援することでデフレから脱却できる。
 ○ このような政策はカンフル剤だと呼ばれるが、それは間違いであり、点滴だと理解する方が正確である。病気のときに、カンフル剤は、薬が切れたら打つ前の病気の状態に戻るというものであるのに対し、点滴は、必要な量を適切に打てば健康体になるというものであるからである。



 当方からすれば、「カンフル剤」も「点滴」もそんなに違うもののように思われないのであるが、要するに問題は「必要な量を適切に打てば健康体になる」の根拠である。
 この点をもう少し理論的に説明しているのが次の論文である(リンクはこちら)。

そして二つ目の長期的効果が,「需要不足」を埋め合わせ物価の下落を阻止することで、デフレを緩和,さらには脱却させ、民間の自律的な投資を促す,というものである.なお,デフレは,物価と所得の低下循環的低下(デフレスパイラル)を通じて,場合によっては数十兆円,数百兆円という巨大な経済損失をもたらすものであるから,これを回避するという効果は,それと同じく数十兆円,数百兆円,さらには数千兆円という(機会費用的)経済効果を意味するものである.


 これも「「需要不足」を埋め合わせ物価の下落を阻止することで、デフレを緩和,さらには脱却させ、民間の自律的な投資を促す」の根拠がよく分からない。

 これらの「藤井聡」の主張を読んでいて一番感ずることは、「デフレギャップを埋める」ことを考える前になぜ「デフレギャップ」の原因を考えないのかということである。
 この点について「藤井聡」の盟友である「三橋貴明」は次のとおり書いている(リンクはこちら)。

なぜ日本はデフレに突入したのだろうか。人口が減っているから?
 もちろん、違う。平成バブル崩壊で国民が預金や借金返済を増やし、所得創出のプロセスにおいて消費・投資(=需要)が減り、誰か別の国民の所得が縮小している状況で、政府(橋本政権)が緊縮財政を実施したためだ。
 ただでさえ需要や所得(同じ意味だが)が減っている環境下において、政府が消費税増税で国民の消費を減らし、自らも公共投資の削減を始めたわけだから、たまらない。
 日本の需要不足は深刻化し、供給能力に対し需要過小となるデフレギャップ状況に突入。橋本緊縮財政の翌年(98年)から本格的にデフレーションが始まった。



 この中で原因と認識すべきは、「緊縮財政」と「消費税増税」である。
 現在の安倍政権に対する評価と変わらないということである。
 しかし果たしてこれは正しいのか。

 「日本統計年鑑」の「5-2 一般会計,特別会計,政府関係機関及び地方財政計画純計(エクセル:30KB)」には、国全体の財政支出額の推移が掲載されている(リンクはこちら)。

 また「日本の統計」の「5- 9 国民所得に対する租税負担率(エクセル:30KB)」には、「バックナンバー」も含めて見れば、国全体の税収額の推移が掲載されている(リンクはこちら)

 これらをまとめて「国全体の財政支出額/国全体の税収額」の倍率を計算すると、その推移は次表のとおりとなる。
                              (10億円)
年度国全体の財政支出国全体の税収倍率
再差引純計額租税負担額 計
平成2年1990161,99296,2301.68
71995211,21388,6382.38
122000262,61688,2672.98
172005292,39587,0953.36
222010268,32878,0243.44
242012281,03181,5103.45
252013275,12586,6023.18
262014290,13491,8403.16
272015292,21196,4683.03

 これを見ると、安倍政権になってからの3年間は確かに下落しているが、それ以前は順調に上昇しており、「緊縮財政」だ、「増税」だというのは該当しないことが分かるだろう。

 当方からすれば、この点の解答となるのが、昨日のエントリーである。
 これについては昨日、
さて問題は「わが国の賃金率に対して新興国の賃金率に鞘寄せされる形で下落圧力がかかった」ことの論理的必然性であるが、当方はいつも書いているようにこれは存在しないと考えている。
 現実がそうなっているのは中国や韓国の為替操作がもたらしたものということである。

と書いたとおりである。
  1. 2016/06/14(火) 10:10:23|
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