金子吉晴(日本の自存自衛を取り戻す会)    行動保守運動の一員として真に戦後レジームからの脱却を追求しています。

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"「教科書通りいかない」日銀総裁、金融政策の難しさ吐露" そうではなく、「教科書」どおりの原因把握をしないから、対策が間違っているだけ!!

 5月6日の日経新聞は,”「教科書通りいかない」日銀総裁、金融政策の難しさ吐露
 日銀の黒田東彦総裁は6日、アジア開発銀行(ADB)年次総会の関連行事に参加し、中央銀行の業務が近年複雑になっていると訴える一幕があった。黒田総裁は日銀のかじ取りについて「悪戦苦闘とは言わないが、最大の努力を傾注している」と発言。「(経済学の)教科書を文字通り適用できない」と金融政策の難しさを強調した。
 黒田総裁は、マレーシア中銀のゼティ前総裁やフィリピン中銀のギニグンド副総裁らが参加する会合で発言した。日本経済について、一度染みついた家計や企業のデフレ気質を変えるのは難しいと指摘。「日本は円安でも輸出が大幅に増えなくなった」とし、企業が海外生産を増やした影響にも言及した。
 黒田総裁はアジア諸国も人口動態の変化を受け、経済を冷やさず過熱もさせない中立的な金利水準である自然利子率が今後低下する可能性があると分析。長期デフレに陥った日本の教訓として「インフレ期待(予想物価上昇率)を維持することの重要性が高まっている」と助言した。
”と報道した(リンクはこちら)。


 「(経済学の)教科書を文字通り適用できない」とあるが、これは完全に間違いである。
 そうではなく、「教科書」どおりの原因把握をしないから、対策が間違っているので、結果が出ないだけである。

 第1に「日本経済について、一度染みついた家計や企業のデフレ気質を変えるのは難しいと指摘。」とあるが、そんなものは存在しない。

 まず「家計」については1998年の平成不況突入以来、我が国の平均消費性向は上がりっぱなしである。
 確かにこの2,3年2%ほど低下したという統計があり、それは消費増税の影響であると主張されるところである。
 しかしこの数年の名目GDPの推移は次表のとおりである(リンクはこちら)。
                 (単位:10億円)
暦年国内総生産(支出側)民間最終消費支出
2012/1-12.494,957.20290,241.70
2013/1-12.503,175.60296,672.60
2014/1-12.513,698.00300,117.50
2015/1-12.530,465.70300,081.60
2016/1-12.537,289.40300,100.80

 これを見ると、「民間最終消費支出」はほとんど変動がないので、消費増税の影響というより、経済の若干の好転による「国内総生産(支出側)」、すなわち名目GDPの増加に「家計」の意識が付いていっていないだけだろう。

 また「企業」については近年の直接投資の推移は次表のとおりである(リンクはこちら)。
              (単位:億円)
和暦西暦直接投資指数
平成8年1996C.Y.28,648100
平成9年1997C.Y.25,91090
平成12年2000C.Y.36,900129
平成17年2005C.Y.51,703180
平成22年2010C.Y.62,511218
平成23年2011C.Y.93,101325
平成24年2012C.Y.93,591327
平成25年2013C.Y.142,459497
平成26年2014C.Y.125,466438
平成27年2015C.Y.158,451553

 「企業」は確かに国内にはそれほど投資してこなかったが、海外には積極的に投資している。

 したがって、いくら「家計」がお金を使っても、表向きは日本メーカー製でも、中身は「輸入品」であるものばかりを買うことになるから、経済が伸びないのである。

 第2に「日本は円安でも輸出が大幅に増えなくなった」とあるが、そんなことは当然である。
 最終的に問題なのは輸出先の米国との為替レートではなく、輸出ライバルである中国や韓国との為替レートであり、まだまだ人民元やウォンに対して円は高いからである。

 もちろん間接的には円ドルレートが安くなることによって、円人民元レートや円ウォンレートも安くなるが、この程度の「円安」ではとてもではないが、「輸出が大幅に増え」るまでの水準には至らない。
 したがって人民元やウォンのレートを直接的に高くする政策をやらない限りは、「輸出が大幅に増え」るというような状況には成り得ない。

 第3に「インフレ期待(予想物価上昇率)を維持することの重要性が高まっている」とあるが、これはかなりドグマティックな主張である。
 「物価」が上昇したときに日本の消費者が積極消極どちらの消費行動に向かうかは答が出ていない。
 当方としてはこの数年の傾向からして、むしろ日本の消費者は将来に向けて節約に走るのではないかと思う。

 したがって消費を増やしたいなら、「物価」を上げるというような大雑把な方法ではなく、高額貯蓄者の租税負担を増やすようなもっと直截な方法が必要である。
  1. 2017/05/09(火) 04:18:44|
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