金子吉晴(日本の自存自衛を取り戻す会)    行動保守運動の一員として真に戦後レジームからの脱却を追求しています。

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"【藤井聡】内閣府データが示す、10~15兆円規模の大型補正予算の必要性" なぜ問題の原因を突き詰めずに対策を考えるのか。国内にも外国にもお前達に原因があるとは言えないから?

 「藤井聡」が「「新」経世済民新聞」において8月8日付けで次のとおり書いている(リンクはこちら)。

【藤井聡】内閣府データが示す、10~15兆円規模の大型補正予算の必要性

(1)デフレは需要不足がもたらしている
 今、
・日本経済の世界的地位が後退し続け、外交力を失い続けているのも、
・日本国民の中で貧困層が増え、様々な格差が広がり続けているのも、
・そして、税収が減って政府財政が悪化しているのも・・・・
そのすべては、日本経済が「デフレ」に陥っていることが原因です。
 そして、「デフレ」という経済状況は、「需要」(投資や消費の合計値)が、「供給」(財やサービスの生産能力の合計値)よりも下回ることで生ずるもの。
 つまり、国内マーケットのあらゆるビジネスで「客」が少なくなってしまい、売上が減ってしまうことが、今日のデフレ不況の根源的原因です。
 売り上げが減れば企業は儲からず、労働者の賃金は下がり、家計の所得も減り、結果、消費も投資もまた減ってしまう??そしてそれがさらなる売り上げの縮小をもたらしてしまう、という、いわゆる「デフレスパイラル」が生じてしまうからです。
 したがって、「需要」と「供給」の差を「埋める」ことができれば、デフレは終わるのです。

(中略)

(5)10~15兆円の財政政策で、ようやく物価は1%上がる
 では、物価(CPI)の変化率と、GDPギャップとの間にどんな関係があるのかを、統計的に(重回帰)分析 してみると、次のような関係式が示されました(1990年第一四半期から2997年第一四半期までのデータを使用)。

半年後のCPI変化率
= 0.28×GDPギャップ + 0.117 - 0.02×seq(※)
__(6.33)__________(9.43)__(-2.21)

※ seq: 1990第一四半期が1の連続自然数。( )内はt値、R値は0.71、n=105.
※ データはいずれも四半期のものなので、年率換算の比率は上記数値と一致。

 これはつまり、CPIを年率1%上げるためには、GDPギャップを年率で3~4%程度大きくすることが必要だ、という事を意味しています。
 そしてGDPギャップを3~4%大きくする、ということはつまり、需要を15~20兆円(年)程度を拡大するということ。
 ということは、単純に考えれば、政府支出を15~20兆円程度拡大すれば、CPIは1%上昇する、ということになります。
 実際には、乗数効果(政府支出を1兆円増やせば、GDPは1.5~2兆円程度増える、という効果)があることを考えれば、10~15兆円の政府支出を拡大すればCPI、物価は1%程度上昇するだろう、ということが予期されることとなります。

 そして言うまでもありませんが、物価が上がらなければ、賃金も増えず、ビジネスチャンスも拡大せず、投資は冷え込んだままとなり、デフレ不況は終わりません。
 だからこそ政府は今、10~15兆円規模の大型の補正予算を組むことが、デフレ脱却のために是が非でも求められているのであり、それは、内閣府自身が公表しているデータから統計的に示唆されているのです。
 そして、日銀のターゲットが「2%物価上昇」であることを踏まえるなら、そのクラスの大型景気対策を、少なくとも2、3年間は継続することが必要なのです。
 政府が理性的な経済財政政策を展開されんことを、心から祈念したいと思います。



 導入部と最後の結論だけが重要なので、中間は大胆にカットした。

 当方が彼らのような主張に対して有する疑問は大別して2つある。
 第1は対策の効果についてであり、第2は問題解決の手法についてである。

 まず第1については、「そして、「デフレ」という経済状況は、「需要」(投資や消費の合計値)が、「供給」(財やサービスの生産能力の合計値)よりも下回ることで生ずるもの。」とあるのは、経済学のイロハだから正しい。
 「したがって、「需要」と「供給」の差を「埋める」ことができれば、デフレは終わるのです。」とあるのも、それをやっている間はそのとおりである。

 では「そして、日銀のターゲットが「2%物価上昇」であることを踏まえるなら、そのクラスの大型景気対策を、少なくとも2、3年間は継続することが必要なのです。」とあるが、その「2、3年間」の後はどうなるのだろうか。
 彼らはそれを「成長軌道」や「成長路線」に乗せるというような曖昧模糊とした理屈で説明するのだろうが、そんなものは何の説得力もない。
 当方に言わせれば、その「2、3年間」の後は元に戻るだけである。

 しかし当方が彼らに持つ最大の疑問は、第2の問題解決の手法についてである。
 というのはどんな問題であれ、そこには必ず原因があるのであり、その問題を発生させている原因のうち最も大きなものから順に潰していくのが問題解決手法の基本だからである。
 それをやらないで「原因」を放置したまま「原因」と無関係な対症療法によってその病気を治療しようとするならいつかは大きな副作用となって帰ってくることは自明である。

 では「藤井聡」は「「需要」(投資や消費の合計値)が、「供給」(財やサービスの生産能力の合計値)よりも下回ること」の原因は何と考えているのだろうか。
 このコラムではその「下回ること」を「GDPギャップ」と言い換えているが、その原因については全く考察がない。
 したがって対策としては全くの盲打ちであり、当然のことながら副作用が懸念される。
 ではその副作用とは何か。

 そのような政策を続ければ、当然、通貨供給量の過剰により、国産品の価格は上昇する。
 国産品の価格が無闇に上がれば、消費者はより安い輸入品に走る。
 そしてどんどん輸入が増え、我が国のGDPはむしろ低下する。
 まさにスタグフレーションである。

 そういう風にならないように内需を喚起するのだという反論もあるかもしれないが、国産品価格>輸入品価格という構造を放置したままでは如何ともしがたい。
 むしろ「藤井聡」のような主張はそれに拍車をかけてしまう。

 なぜ彼らは何か問題が生じたときにその原因を突き詰めずに対策を考えるのだろうか。
 おそらく事なかれ主義から国内に対しても外国に対しても、お前達に原因があるとは言えないからだろう。
  1. 2017/08/12(土) 05:22:54|
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