金子吉晴(日本の自存自衛を取り戻す会)    行動保守運動の一員として真に戦後レジームからの脱却を追求しています。

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三橋貴明"投資系の支出をPB目標から外せ!"再々論 三橋貴明以下の若い世代には国語なのか英語なのか数学なのか何か根本的な理解力において不足しているところがあると思う!!

 4月7日のエントリーで、三橋貴明のブログの1月21日のエントリーの間違いの内容について再論したのであるが(リンクはこちら)、まだ説明が不足しているように思うので、再々論したい。

 間違いの内容ははっきりしている。
 それはその時紹介した「自称バランス感覚を持った男が色んなことを語る」に対して、「ただしこのブログの筆者の名誉のために言っておくと、3月18日のエントリーでは自分が騙されていたことに半分ほど気付いたようである。」と書いたことそのものである。
 その内容は次のとおりである(リンクはこちら)。

本当に悔しい点として、三橋の政府支出を増やせば債務残高GDP比を引き下げる効果は単年度であり、次年度以降からは債務残高GDP比は悪化することは本当である。
 この点につきましては、私のミスと認めざる負えない。



 これは全く当方の主張と同じである。
 ちなみに「参考」以下に色々数字が書いてあるが、これは必ずしも「次年度以降からは債務残高GDP比は悪化する」になっていないので、繋がりがよく分からない。
 当方が「半分ほど気付いた」と書いた所以である。
 
 では間違いの原因は何か。
 当方はやはり1月30日のエントリーで書いた次の内容しか考えられない(リンクはこちら)。

まさか三橋貴明は、
● 政府の負債 920兆円
 ● 名目GDP 520兆円
 政府の負債対GDP比率は、176.9%に「改善」します。

と考えていないだろうか。

 もしそうだとしたら、これは「名目GDP」を「ストック変数」と考えてしまうお話にならない間違いである。
 「名目GDP」が「フロー変数」であることはマクロ経済学の教科書の最初に出てくることである。
 慶応大学のある先生の資料にも次のとおりある(リンクはこちら)。

フロー変数とストック変数

 ・フロー : 流量
 ・ストック : 水位
 ・GDPはフロー概念
  同様に,(一定期間の)所得,消費,投資などはフロー概念
 ・資産残高,国債残高などはストック概念


 「流量」だから流れるだけで溜まるという観念はない。
 つまり翌年、同じ事をしてもそれは結局同じ結果にしかならないということである。



 要するに財政出動の総需要に対する効果は乗数効果だけであり、経済のファンダメンタルには基本的には影響を与えないということである。
 もし良い影響を与えるとすれば限界消費性向であるが、その反面で限界輸入性向は確実に悪化する。
 この乗数効果は理論的には単年度であるが、現実にはタイムラグがあるので2~3年に亘る。
 ただしその場合も時間が引き延ばされるだけであって、もちろん乗数効果の総量は変わらない。
 したがってGDPのように年ごとにブツ切りにされたものに関しては、その成長について財政出動はさして影響を与えないということである。

 我々の学生の頃ならこの「慶応大学のある先生の資料」に書いてある内容をマクロ経済学の教科書で読めば、1月31日のエントリーで紹介した「財政制度等審議会」の建議書にある、
つまり、仮に財政拡大により分母である GDPが増加し、結果として一時的に債務残高対GDP 比が低下したとしても、その効果は一時的に過ぎず、財政拡大と同じだけの需要が民間から生み出され続けない限り、他の条件が同じであれば、分母であるGDPはやがて縮小する。」(リンクはこちら)
というように理解したのであるが、三橋貴明以下の若い世代はそのように理解できないようである。
 彼らには国語なのか英語なのか数学なのか何か根本的な理解力において不足しているところがあると思う。

 参考のために他に分かりやすく説明した物がないか探したところ、もう一つだけあった。
 2012年に参議院調査事務局において作成された「経済政策論議において留意すべき概念の整理」という資料で内容は次のとおりである(リンクはこちら)。

例えば、財政出動による景気浮揚策を行った場合を考える。図表3は、財政出動した場合のGDP押し上げ効果をイメージしたものである。財政政策を継続的に実施した場合と一回限り実施した場合の2つを示している。財政政策の経済効果は、基本的には、図表3左図のように「水準」で考えるものである。財政政策の効果を評価する際に用いられる「政府支出乗数22」は、財政政策が行われた場合と行われない場合の「水準」を比較したものであり、「財政支出によって経済が何%押し上げられる」と言われるのもこの水準の乖離を表したものである。なお、一時的な支出は次年度には元の水準に戻ることを考えれば、財政支出による経済押上げを持続させるためには、一旦支出した財政支出を取り止めることのハードルは非常に高いことがわかるだろう。
 それでは、この経済効果を伸び率で表すとどうなるのかをみたのが、図表3右図である。伸び率でみた場合、財政政策は、初年度に経済成長率を大きく押し上げることに貢献するが、次年度以降は成長率を押し上げてはいない(なお、一時的な支出では次年度は当然のことながらマイナス成長になる)。



 重要なのは最後の「それでは、この経済効果を伸び率で表すとどうなるのかをみたのが、図表3右図である。伸び率でみた場合、財政政策は、初年度に経済成長率を大きく押し上げることに貢献するが、次年度以降は成長率を押し上げてはいない(なお、一時的な支出では次年度は当然のことながらマイナス成長になる)。」の部分である。

 2012年と言えば、民主党政権から自民党政権へ移行する年であり、政界の中でも三橋貴明的な主張が幅を利かせてきた時期である。
 しかし経済学的には余りに初歩的な間違いなので、参議院事務局としては現実の政策化の前に前もって釘を刺したものだろう。
  1. 2018/04/12(木) 06:23:50|
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