5月13日の日テレNEWS24は,”
韓国籍船が北朝鮮籍船に横付け“瀬取り”か
韓国籍のタンカーが今月初旬、東シナ海の公海上で北朝鮮籍のタンカーに横付けしているのを海上自衛隊が確認していたことがわかった。日本政府は違法な物資の積みかえ、いわゆる「瀬取り」の疑いもあるとみている。
防衛省関係者によると、今月3日、東シナ海の公海上で北朝鮮籍のタンカーに韓国籍のタンカーが横付けしているのを海上自衛隊の艦船が発見した。日本政府はいわゆる「瀬取り」を行っていた疑いもあるとみている。
ただ、実際に「瀬取り」を行うと物資の積みかえにより船の沈み具合が変わるが、今回はそうした変化はなく、未遂の可能性もあるという。
日本政府は韓国政府に調査を求めているが正式な回答はないという。韓国籍の船による「瀬取り」の疑いが明らかになったのは今回が初めて。”と報道した(リンクは
こちら)。
「
日本政府は韓国政府に調査を求めている」とあるのは当然である。
もし「
瀬取り」が事実なら、この「
韓国籍船」は重大な国連制裁決議違反だからである。
ただこの記事で不審に思うのは、「
東シナ海の公海上で北朝鮮籍のタンカーに韓国籍のタンカーが横付けしているのを海上自衛隊の艦船が発見した」なら、なぜその場で「
海上自衛隊の艦船」は「臨検」をしなかったのかということである。
これについては検索すると次の報道があった。
2017年12月26日のホウドウキョクは,”
今回の国連安保理事決議は「戦争行為」ギリギリの制裁
国連の安全保障理事会は23日、先月の北朝鮮の弾道ミサイルの発射を受けた新たな制裁決議案を全会一致で採択した。
決議は北朝鮮への石油精製品の輸出量の上限を年間200万バレルから50万バレルに引き下げる。これにより石油精製品の輸出は約89%削減されるほか、海外に約10万人いるとされる北朝鮮労働者の2年以内の送還を求めている。中国やロシアも今回は賛成に回った。
さらに厳しいのは船舶押収の件。
国連安保理は加盟国に対し、船から船への移転や石炭など禁止製品の密輸、石油を違法に供給している「領海内」の船舶を押収、検査、凍結することを認めたとある。
「公海上」で行う臨検行為については戦争行為とされており、領海での船舶押収は戦争行為ではないものの、かなり厳しい内容だ。”と報道した(リンクは
こちら)。
「
国連安保理は加盟国に対し、船から船への移転や石炭など禁止製品の密輸、石油を違法に供給している「領海内」の船舶を押収、検査、凍結することを認めたとある。」から、現行決議では「
公海」上の「
臨検」はまだ認められていないということである。
もっともたとえ認められても次のような報道もある。
3月29日の産経新聞は,”
【安保法制2年】対北連携で目に見える成果 戦闘で撤退、臨検不参加…なお残る課題
集団的自衛権の限定的な行使などを可能にした安全保障関連法が施行されてから29日で2年となった。この間、核・ミサイル開発を続ける北朝鮮をめぐる情勢が緊迫し、安保関連法は自衛隊が米国との連携を強化する足がかりとなった。ただ、安保関連法は自衛隊の行動を抑制する内容をとどめており、他国軍と同一基準で行動できるとはいえず、課題は残っている。
安保関連法の成果が目に見える形で表れたのが、集団的自衛権の行使に至らないような状況における自衛隊と米軍の連携だ。昨年5月には海上自衛隊のヘリコプター搭載護衛艦「いずも」などが米海軍補給艦を警護したほか、航空自衛隊機が米空軍爆撃機を防護した。昨年4月以降は複数回にわたり、海自艦艇が日本海で北朝鮮の弾道ミサイル発射を警戒している米海軍イージス艦に燃料を補給した。
しかし、自衛隊が集団的自衛権を行使できるのは、日本の存立が危機にひんした場合のみ。日本への武力攻撃に至る恐れがある「重要影響事態」と判断されれば他国軍への後方支援ができるが、活動現場で戦闘が始まれば友軍を見捨てて撤退しなければならない。
さらに、国際社会が北朝鮮の海上封鎖に踏み切っても、自衛隊は活動に参加できない恐れもある。国際法では海上封鎖を目的とした臨検を武力行使の一環と位置づけており、自衛隊が他国軍と一体化するような連携を取ることは有事でなければ許されていない。
自衛隊は国連安全保障理事会の制裁決議に反し北朝鮮の船が海上で別船舶に横付けして物資を移し替える「瀬取り」の監視活動を行っているが、平時の自衛隊にできるのは監視止まり。重要影響事態では船舶検査が可能だが、積み荷の押収などの強制的な権限はない。”と報道した(リンクは
こちら)。
「
国際法では海上封鎖を目的とした臨検を武力行使の一環と位置づけており、自衛隊が他国軍と一体化するような連携を取ることは有事でなければ許されていない。」とあるのは確かに現行憲法の下ではそう解釈せざるを得ない。
しかし「
瀬取り」の場合の「
臨検」は「
海上封鎖を目的とした臨検」ではない。
そうだとすれば「
平時」でも可能だと解釈すべきである。
次回の決議では「
公海」上の「
臨検」も認められる可能性があるから、今から議論して国論を統一しておく必要がある。
- 2018/05/14(月) 07:35:20|
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