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金子吉晴(日本の自存自衛を取り戻す会)    行動保守運動の一員として真に戦後レジームからの脱却を追求しています。

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"消費増税「凍結を」自民若手 首相に申し入れへ" ネット上の財政拡大派は「何で2~3兆円ぽっち」と感じているだろうが、そこはこの議員達も専門家のレクチャーを受けて素人的独断の主張をできなかったのだろう!!

 5月11日の日経新聞は,”消費増税「凍結を」自民若手 首相に申し入れへ
 自民党の若手議員でつくる日本の未来を考える勉強会(呼びかけ人代表・安藤裕衆院議員)は11日、2019年10月の消費増税凍結や基礎的財政収支(プライマリーバランス=PB)黒字化目標の撤回を求める提言を発表した。近く安倍晋三首相と二階俊博幹事長に申し入れ、経済財政運営の基本方針(骨太の方針)に反映するよう要求する。
 提言は当選1~3回の衆院議員と当選1回の参院議員約30人の連名。「当初予算を毎年3~4%ずつ拡張すべきだ」と明記し、積極的な財政出動を提案した。自民党は昨年秋の衆院選公約に19年10月の消費増税やPB黒字化目標の堅持を掲げた。安藤氏は公約との整合性について「政権の第一の目標はデフレ脱却だ」と強調した。
”と報道した(リンクはこちら)。


 所詮は自民党議員の考えることだから大した中身は期待できないが、内容に疑問を感じる点があるので指摘しておきたい。
 この「提言」の具体的内容は「呼びかけ人代表・安藤裕衆院議員」のHPに掲載されており、次のとおりある(リンクはこちら)。

デフレ不況から完全に脱却し、日本経済を成長路線に乗せると同時に、財政再建を果たすために必要な財政政策に関する提言〈Ver.2〉(概要)
~思い切った財政出動を~
                            日本の未来を考える勉強会

 「日本の未来を考える勉強会」は、昨年4月以来、失われた20年を招いた経済政策について、先入観を持たずに、真に必要な経済政策を提言すべく議論を重ねてきた。昨年にも提言を取りまとめたが、本年の骨太の方針を策定するにあたり、これからの日本に必要な経済政策を、若手議員の立場で、日本の将来のために真剣に提言するものである。

1.現状認識 「経済成長なくして財政再建なし」
   
(中略)

2. 「骨太の方針」での「債務対GDP比の安定化」の第一目標化と PB 目標撤廃を検討すべき
   
(中略)

3.消費税増税の当面の「凍結」を検討。減税をも視野にいれた消費税のあり方の抜本的見直しを
   
(中略)

4. 「2019年経済危機」を乗り越えるためは20~30兆円規模の超大型対策を
   
(中略)

5. 成長を効率的に促す「未来投資長期プラン」を策定し、18年度から開始
   
(中略)

6. 600 兆円経済実現を確実にするための「当初予算 3-4%ずつの拡充」を、PB 目標に代わる新たなフロー目標とすべし
 600兆円経済を実現するために求められている3-4%の名目成長率と歩調を合わせて、「当初予算」を3-4%ずつ拡張することを PB目標に代わる新たな「予算の上限制約」、すなわちフロー目標とする。これを通して、補正予算も合わせて調整しながら、政府と民間を合わせたトータルの(債務と貯蓄の)「収支」、すなわち「ネットの資金需要」が GDPの5%程度となる状態の持続を目指す。

   
(中略)

デフレ不況から完全に脱却し、日本経済を成長路線に乗せると同時に、財政再建を果たすために必要な財政政策に関する提言〈Ver.2〉
~思い切った財政出動を~
                           日本の未来を考える勉強会

   
(中略)

6.600兆円経済実現を確実にするための「当初予算 3-4%ずつの拡充」を、PB目標に代わる新たなフロー目標とすべし
 G7をはじめとした先進諸外国は、上述の債務対GDP比の安定化という「ストック目標」に加えて、構造的財政収支などについての「フロー目標」を掲げている。我が国は、そのフロー目標について、PB黒字化目標を掲げてきたのだが、これが我が国のデフレを継続させ、財政を悪化させていることは先に指摘した通りだ。
 しかし、上記の債務対 GDP比の安定化というストック目標を軸としながらも、毎年の予算策定にあたってPB黒字化に変わる新しい「フロー目標」を設定することも考えられる。
 この点については、政府が掲げる600兆円経済の実現を阻むものであってはならない。この点を勘案したとき、600兆円経済を実現するために求められている、3-4%の名目成長率と歩調を合わせて、「当初予算」を3-4%ずつ、つまり、毎年2~3兆円ずつの拡張を「上限」とする、というフロー目標を掲げることが得策である。
 なお、デフレ脱却までの間は、GDPの4分の3を占める民間の需要の成長率が3-4%以下の水準となると見込まれるため、その状況下では補正予算で政府支出を拡大調整し、全体の名目成長率が 3-4%以上となるように調整することが必要である。なお、それだけの名目成長を確保するためには、政府と民間を合わせたトータルの(債務と貯蓄の)「収支」、すなわち「ネットの資金需要」が GDPの5%程度となる状態を持続することが必要である。

   
(後略)


 基本的に現状を維持せよと主張している1~5の部分はどうでもいいとして、問題はこれからの経済成長策を記した6の部分である。
 当方が疑問に思うことは2つあり、第1は「3-4%の名目成長率と歩調を合わせて、「当初予算」を3-4%ずつ拡張すること」の効果、 第2はそれが「民間」の「資金需要」に与える影響の程度である。

 第1については「「当初予算」を3-4%ずつ、つまり、毎年2~3兆円ずつの拡張」がなぜ「3-4%の名目成長率」を実現できるのかよく分からない。

 まず2017年の「名目」GDPは「546,221.20」(10億円)である(リンクはこちら)。
 またその成長率は「1.4」%である(リンクはこちら)。

 したがって乗数を1.5程度とすれば「2~3兆円」はその0.5~0.8%なので、「1.4」%を加えても1.9~2.2%にしかならない。
 おそらく残りは「民間」でということなのだろうから、そこで第2の疑問である。

 第2については「「当初予算」を3-4%ずつ、つまり、毎年2~3兆円ずつの拡張」が消費に与える影響は乗数で見ているので、問題はそれが投資にどの程度影響を与えるかである。

 名目GDP統計における近年の「民間」設備投資の比率は次のとおりである(リンクはこちら)。
                 (単位:10億円、%)
暦年国内総生産(支出側)民間企業設備比率
2013/1-12.503,175.6074,944.5014.9
2014/1-12.513,876.0079,944.6015.6
2015/1-12.531,985.8083,412.5015.7
2016/1-12.538,521.0083,180.5015.4
2017/1-12.546,221.2086,078.0015.8


 「民間」設備投資の伸び率も名目GDPの伸び率と同じだとし、乗数1.5とすれば、5年間の平均は15.5%だから、「民間」設備投資が名目GDPにもたらす伸び率は、
   15.5%×1.5×0.5~0.8%=0.1~0.2%
ということになる。
 円安で工場の国内回帰が始まったといってもまだまだその影響は軽微だということである。

 結局、「2~3兆円」程度ではどうにもならないし、逆にそれを大幅に拡大すれば、5月3日のエントリーで書いたように、スタグフレーションの危険性が高くなる(リンクはこちら)。
 これは「毎年2~3兆円ずつの拡張」だから、例えばこのような政策を5年間続けただけで、世の中に出回るお金の量は30~45兆円増加するのだから当然である。
 おそらくネット上の財政拡大派は「何で「2~3兆円」ぽっち」と感じているだろうが、そこはこの議員達も専門家のレクチャーを受けて素人的独断の主張をできなかったのだろう。
  1. 2018/05/26(土) 11:27:20|
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