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2018/12/23

"米、対日交渉の目的公表 為替操作の防止も掲げる" 内容的には間違いだが、日中貿易の赤字は無視して日米貿易の黒字のみに活路を求める我が国の政財界のおかしな発想を正すいいきっかけになるだろう!!

 12月22日の産経新聞は,”米、対日交渉の目的公表 為替操作の防止も掲げる
 米通商代表部(USTR)は21日、日本との新たな貿易交渉の目的を公表した。輸出を不当に後押しする為替操作の防止を正式に交渉目標に掲げた。自動車や農業と並び、サービス分野も「重要領域」と位置づけ、関税削減や非関税障壁の撤廃を目指すとした。
 米貿易関連法の手続き上、30日後の来年1月下旬から正式な交渉を開始することができる。
 公表された交渉目的の要旨によると、自動車などの工業製品や農畜産物に関する物品貿易のほか、情報通信や金融サービスなどのサービス貿易、知的財産、製薬や医療機器など広範な産業分野を交渉対象とした。
 さらに、デジタル分野での国際取引や、労働・環境規制といった分野も含めており、包括的な協定の締結を目指す方針を表明している。
 日米両政府は今年9月の首脳会談で新たな協議の開始で合意した。USTRは今月10日に公聴会を開き、自動車や農畜産分野の労働組合や業界団体などから意見を聴いていた。
”と報道した(リンクはこちら)。


 「輸出を不当に後押しする為替操作の防止を正式に交渉目標に掲げた。」とあることには、「我が国が行っている量的金融緩和は「為替操作」とは内容的に異なる」という反論をする人達は多いだろう。

 当方も量的金融緩和が為替操作だと米国が他国を批判するのは明らかに間違っていると思う。
 というのはこの政策自体は米国がオバマ政権下で始めたものだからである。
 したがって当初は米国自体が為替操作国だと批判を受けたものである。
 このことは「通商白書 2011年版」ですでに次のようにまとめられている(リンクはこちら)。

米国では、FRBが2008年12月にフェデラルファンド(FF)レートの誘導目標を0~0.25%まで引き下げ、その後同水準を据え置くとともに、信用緩和(Credit Easing)と量的緩和(QuantitativeEasing)を進めてきた。そしてこの間、FRBによる金融緩和期待への高まり等を背景に、米ドルは新興国を中心とする多くの通貨に対して下落基調を続けてきた。
 米国と新興国との間では、特に米中間の摩擦が強まった。
 また、先進国からも米国に対して批判的な目が向けられた。米FRBが、2010年11月、追加金融緩和策として6,000 億ドルに上る長期国債の追加購入を決定すると、フランスからは「(FRBの動きからユーロが圧迫されている」との発言が、また、ドイツからは「中国の人民元操作を批判する米国のFRBが、ドル紙幣増刷で人為的にドルの価値を引き下げていてはつじつまがあわない」といった批判がなされた。


 しかし量的金融緩和が為替の引き下げを目的にしていることは事実であるし、そもそも意図するしないに関わらずその効果を持っていれば「為替操作」と認定されても仕方がない。
 そもそも我が国が相変わらずこんな無意味な政策を行っているのは、日中貿易の赤字は無視して日米貿易の黒字のみに活路を求める我が国の政財界の発想が間違っているのであって、今回の米国の方針はこうしたおかしな発想を正すいいきっかけになるだろう。

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