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2019/12/16

"金融政策の限界と財政出動の副作用" 「インフレの兆候があるなら財政拡大をやめ」という主張に対して「インフレになる」と言っているだけでは「じゃそうなるまでやってみればいいじゃん」という結論しか出てこない!!

 11月5日の読売新聞は,”金融政策の限界と財政出動の副作用 調査研究本部主任研究員 黒川茂樹
 米中貿易戦争で世界経済の先行きに不透明感が広がる中、消費税率が10%に引き上げられた。米国や欧州の中央銀行は金融緩和に舵かじを切り、日本銀行による追加緩和の観測も出ている。しかし、異次元の緩和を続けてきた日銀はすでに手詰まりになりつつあり、今後、景気の先行きによっては、政府の経済対策への期待が高まるだろう。ただ、歳出拡大に歯止めがかからなくなれば、財政再建が遠のくばかりか、経済にも深刻な副作用を与える恐れがある。日本の金融政策と財政運営はどこに向かうのか。

 「財政赤字が増えても財政破綻にならない」とするMMTだが、それは「インフレにならない限り」という前提がポイントとなっている。インフレの兆候があるなら財政拡大をやめ、インフレを抑え込む増税などの対策をとれば問題は生じない―と主張しているのだ。
 これに対し日銀の黒田総裁は、今年5月の国会答弁で「どんどん財政を拡張し、(その財源を賄うため)国債を中央銀行で引き受けてもらったら大丈夫というようなことを始めると、際限がなくなって結局インフレになる。日本を含めた各国の歴史の教訓ではないか」と指摘した。バラ色の理論は、期待通りの絵を描く前に、インフレで機能不全に陥るとの見解を示した格好だ。
”と報道した(リンクはこちら)。


 表題に「財政出動の副作用」とあるが、内容は前置きばかりでそこまで全然入ってきていない。
 そこで非常に長いコラムであるが、前置きの部分は全部カットした。
 
 少しだけの結論の部分もほとんど意味がない。
 「インフレの兆候があるなら財政拡大をやめ、インフレを抑え込む増税などの対策をとれば問題は生じない―と主張しているのだ。」という主張に対して「どんどん財政を拡張し、(その財源を賄うため)国債を中央銀行で引き受けてもらったら大丈夫というようなことを始めると、際限がなくなって結局インフレになる。日本を含めた各国の歴史の教訓ではないか」と言っているだけでは「じゃそうなるまでやってみればいいじゃん」という結論しか出てこないからである。
 こんなものは「財政出動の副作用」の名に該当しない。
 「副作用」というからには現状より悪くなるという可能性を指摘しなければならない。
 このコラムは本来、取り上げる価値もないのであるが、表題が重要なことなので当方の主張を付け加えておきたい。

 当方に言わせれば問題は「インフレの兆候」がある場合における日本人の消費態度である。
 日本人が日本企業のものであれ外国企業のものであれ国内生産の品物にこだわってくれれば、正しく「インフレ」が発生して「財政拡大」にストップがかかり「MMT」は何の問題もない理屈ということになる。
 しかしそうではなく日本人が日本企業のものであれ外国企業のものであれ安い外国生産の品物に走ってしまうと、「インフレ」は発生せず、輸入の増大により国内雇用が減少し、「財政拡大」のプラスは相殺され、ひいてはむしろ名目GDPの減少が始まることになる。

 この場合、前者を主張する人達は得てして「財政拡大」の効果をストック的としているので、「財政拡大」を止めてもそれまでの効果の上積みで十分にお釣りが来るように主張するが、当方に言わせればそんな主張には何の根拠もなく、普通に経済学で主張されるように、カンフル剤を止めればすぐに元に戻ってしまうことが前提になっている。

 一体どちらの可能性が高いのか。
 当方にはこの20年間の日本経済の歩みを考えるとどう考えても後者の結論しか思い浮かばない。
 もし日本人が前者に徹するなら、日本に百均も業務スーパーも存在しないし、電機メーカーの没落もなかっただろう
 これは名目GDPの減少が始まるのだから、現状より悪くなるという意味で「副作用」以外の何物でもない。

 前者の主張と後者の主張のどちらが正しいかは今回の経済対策の倍位のものを3年ほどやってみれば、すぐに実証的に結論は出る。
 いつまでもグダグダ議論していてもしょうがないから、やってみればいいと思う。

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