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2020/08/19

"中国漁船侵入に厳格対処を 自民保守系、尖閣めぐり政府に要請" 前回よりは相当ましであるが、それでも自民党政権が「日中漁業協定」で尖閣諸島周辺における排他的経済水域の権利を放棄したことに一言も触れないのは大変おかしな内容!!

 8月15日の産経新聞は,”中国漁船侵入に厳格対処を 自民保守系、尖閣めぐり政府に要請
 自民党の保守系グループ「日本の尊厳と国益を護る会」(青山繁晴代表)は15日、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺領海への中国漁船の侵入があれば厳しく対処するよう政府に求める提言をまとめた。中国が設けた休漁期間が16日に明けるのを前に、青山氏が国会内で岡田直樹官房副長官に手渡した。
 提言は、中国漁船が日本の領海内で不当に漁労を行った場合「国連海洋法条約に基づいて躊躇なく拿捕し、わが国の法的根拠を持って対応する」と要求。警戒強化や不法上陸阻止のため、海上保安庁、沖縄県警と米国の沿岸警備隊による尖閣周辺での合同訓練を提案した。自衛隊の訓練強化も盛り込んだ。
”と報道した(リンクはこちら)。


 この「日本の尊厳と国益を護る会」の尖閣防衛に関する提言については、8月14日のエントリーで前回の提言に関して「この期に及んで内容がピンぼけ」と評したところである。
 今回の提言については、「国連海洋法条約に基づいて躊躇なく拿捕し、わが国の法的根拠を持って対応する」とあるから、前回よりは相当ましであるが、それでも大変おかしな内容であると言わざるを得ない。
 それはどこかと言えば、「不当に漁労を行った場合」の場所が「日本の領海内」であって、「日本の排他的経済水域内」となっていないことである。
 わざわざ「国連海洋法条約」を持ち出すならそうなっていなければおかしいだろう。

 ではそれはなぜかと言えば、自民党政権は「日中漁業協定」で尖閣諸島周辺における「排他的経済水域」の権利を放棄したからである。
 具体的には「日中漁業協定」、つまり「漁業に関する日本国と中華人民共和国との間の協定」の6条に次のとおりある(リンクはこちら)。

第六条
 第二条から前条までの規定は、協定水域のうち次の(a)及び(b)の水域を除く部分について適用する。
(a) 第七条1に定める水域
(b) 北緯二十七度以南の東海の協定水域及び東海より南の東経百二十五度三十分以西の協定水域(南海における中華人民共和国の排他的経済水域を除く。)


 位置関係を明確に表しているのが「日中漁業協定水域図」である(リンクはこちら)。
 「尖閣諸島」は北緯25度43分だから、「尖閣諸島」周辺の海域はこの6条の(b)の「北緯27度以南」に該当する。
 この水域には日中間における「排他的経済水域」の取扱いを定めた「日中漁業協定」を適用しないというのだから、全くの公海と同じ取扱いにするということである。
 したがって「日本の尊厳と国益を護る会」の提言でも「中国漁船が日本の排他的経済水域内で不当に漁労を行った場合」と書けないのである。

 これは中国の領土主張を半分認めたようなものである。
 今では考えられないような売国的な協定であるが、「安倍晋三首相」はやろうと思えば廃棄も可能であるのに、全くこれに手を付けようとはしない。
 「安倍晋三首相」には「尖閣諸島」を本気で防衛する気は最初から無いということである。 
 「日本の尊厳と国益を護る会」の提言でも「臭い物に蓋」的な姿勢でこのことに一言も触れないのは本当におかしいだろう。

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