"追加歳出は21.8兆円、新規国債22.4兆円発行-3次補正予算" 日本銀行券発行高と貨幣流通高の合計の増加分は昨年末と現在とでは39,476億円=3.9兆円であり、予算が増えている割にはそれほど増えていない!!
12月15日のBloombergは,”追加歳出は21.8兆円、新規国債22.4兆円発行-3次補正予算
政府は15日、追加経済対策を受けた2020年度第3次補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出の追加額は21.8兆円で、税収減の穴埋めを含め新規国債22.4兆円を追加発行する。
既定経費の減額分などを差し引いた歳出額は15.4兆円で、20年度の一般会計予算案の歳出総額は175.7兆円と過去最高を更新した。新規国債発行額も112.6兆円と過去最高となり、公債依存度は64.1%に達する。”と報道した(リンクはこちら)。
この「第3次補正予算案」については12月12日のエントリーで、
「額については何も異論はないが、この件でよく分からないのは既決予算の執行率が低いのに新たに補正予算を立てる意味。このまま行くと来年の決算でどかんと不用額が発生する可能性がある」
と書いたところである。
相変わらずこの点にふれた論説が全く見つからないので今後の見通しはつかないが、どうにも不可解なところである。
さてその点もさることながら、「20年度の一般会計予算案の歳出総額は175.7兆円と過去最高を更新した」という点からすれば、日本経済への影響を考える上では通貨供給量の問題にも触れておかなければならない。
日銀のマネタリーベースの統計では昨年末と現在とでは通貨供給量は次のとおりとなっている(リンクはこちらとこちら)。
これを見ると、日本銀行券発行高と貨幣流通高の合計の増加分は39,476億円=3.9兆円であり、予算が増えている割にはそれほど増えていない。
おそらくその原因として考えられるのは、
イ.執行率が低くまだそれほど財政支出が増えていない
ロ.財政支出の増加はすぐに日銀当座預金に戻ってしまうので、この数字には反映してこない
ハ.ここに出てくる数字は日銀と銀行間の取引の数字なので、そもそも財政支出の増加は直接、この数字には反映してこない
の3つのうちどれかだろうが、どれが正解かはまだ確信が持てない。
政府は15日、追加経済対策を受けた2020年度第3次補正予算案を閣議決定した。一般会計の歳出の追加額は21.8兆円で、税収減の穴埋めを含め新規国債22.4兆円を追加発行する。
既定経費の減額分などを差し引いた歳出額は15.4兆円で、20年度の一般会計予算案の歳出総額は175.7兆円と過去最高を更新した。新規国債発行額も112.6兆円と過去最高となり、公債依存度は64.1%に達する。”と報道した(リンクはこちら)。
この「第3次補正予算案」については12月12日のエントリーで、
「額については何も異論はないが、この件でよく分からないのは既決予算の執行率が低いのに新たに補正予算を立てる意味。このまま行くと来年の決算でどかんと不用額が発生する可能性がある」
と書いたところである。
相変わらずこの点にふれた論説が全く見つからないので今後の見通しはつかないが、どうにも不可解なところである。
さてその点もさることながら、「20年度の一般会計予算案の歳出総額は175.7兆円と過去最高を更新した」という点からすれば、日本経済への影響を考える上では通貨供給量の問題にも触れておかなければならない。
日銀のマネタリーベースの統計では昨年末と現在とでは通貨供給量は次のとおりとなっている(リンクはこちらとこちら)。
年・期・月 | マネタリーベース | 日本銀行券発行高 | 貨幣流通高 | 日銀当座預金 |
2020/11 | 6,029,293 | 1,138,240 | 50,188 | 4,840,865 |
2019/12 | 5,127,767 | 1,099,548 | 49,404 | 3,978,815 |
差引 | 901,526 | 38,692 | 784 | 862,050 |
これを見ると、日本銀行券発行高と貨幣流通高の合計の増加分は39,476億円=3.9兆円であり、予算が増えている割にはそれほど増えていない。
おそらくその原因として考えられるのは、
イ.執行率が低くまだそれほど財政支出が増えていない
ロ.財政支出の増加はすぐに日銀当座預金に戻ってしまうので、この数字には反映してこない
ハ.ここに出てくる数字は日銀と銀行間の取引の数字なので、そもそも財政支出の増加は直接、この数字には反映してこない
の3つのうちどれかだろうが、どれが正解かはまだ確信が持てない。
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